情報民主化プロジェクトとして正式に動き出すのは2022年5月ですが、これまで前段階として近年達成できたことをいくつか振り返ります。
1. 講演活動
新型コロナウイルスの蔓延の影響で、全国に出かけていくことはできませんでしたが、その一方でオンラインで数多くの学習会で話をさせていただきました。内容としては有機農業・アグロエコロジー、遺伝子組み換え食品、農薬問題、「ゲノム編集」問題、種子・種苗政策問題、アマゾンやブラジルの環境問題に及びます。
2. 衆議院農林水産委員会で参考人質疑
少し前のことになりますが、2020年11月12日、種苗法改正法案の審議に際し、衆議院農林水産委員会で参考人質疑としてよばれ、話をしてきました。種苗法改正問題については前年の2019年から開かれた農水省の検討会にも出て、その時から問題提起を行ってきました。今後もこの件は、継続的に追っていきます。
3. 「調査報告:オランダと日本の年金がアマゾン森林を破壊する」日本語訳
アマゾン森林破壊に日本の年金基金が投入されているという告発がブラジルの市民団体から発せられています。その報告書が2020年12月に発表されました(1)。その日本語訳を聖コロンバン会のご支援を受けながら、作成いたしました。
「調査報告:オランダと日本の年金がアマゾン森林を破壊する」日本語訳 (PDF7MB)
(1) Por aposentadoria, médicos e professores estrangeiros alimentam destruição da Amazônia
4. 『ゲノム編集ー神話と現実』 日本語版翻訳作業
OKシードプロジェクトの活動として、欧州議会で活用されたガイドブック“Gene-Editing – Myths and Reality”の日本語訳を行いました。この翻訳作業には鈴木宣弘東大大学院教授研究室の支援をいただき、OKシードプロジェクトとしてPDF版、印刷版として発行されました。
このガイドブックはほぼ半年で印刷版5000部、インターネットで無償提供しているPDFのダウンロード数を合わせて1万近い読者を得ることができたと考えています。市民のみならず、国会議員、政府、地方自治体関係者にも配布され、生かされています。
5. ローカルフード法案・条例の提案
危機的な状況にますますなりつつある現在の日本の食のシステムをより安全で持続できるものへと変えていくためにローカルフード法案の提案を行い、その実現に向け、調査を行い、法案完成に向け、働きかけました。
6. インターネット関連技術、オープンソースCRMの活用調査
市民活動を拡げていくためにはやはりインターネットを活用することが重要ですす。ウェブサイトだけでなく、関心を持つ人たちをつないでいく機能を構築することが今後の活動を拡大させる上ではCRM(Customer Relationship Management)システムの活用が鍵となります。
高価な企業向けのサービスではなく、市民が安価に使えるオープンソースのCRMシステムとしてVtiger、CiviCRMという2つのシステムに注目し、その可能性を追求しています。短期間に1万人近い市民の参加を得るシステム構築ができるようになりました。オンライン決済システムとも連携させ、市民活動を大幅に強化できる環境を作り出すことに成功しました。
今後、さらに映像作品、電子書籍などの分野でも活動を拡げていきたいと考えております。
そして、こうした活動がさらに新たな人たちの活動に生かしてもらって、ノウハウ含めて共有していきたいと考えています。
今後ともご支援・ご指導をよろしくお願いいたします。
情報民主化プロジェクト 印鑰 智哉