食からの情報民主化プロジェクトについて

Betinho やや大げさな名前になっているのですが、この表現を選んだのには理由があります。
 ブラジルで民主化運動のリーダーとなって軍事政権からの民主化運動を率いたベチンニョ(Herberto de Souza)氏は「社会を民主化するためには情報を民主化しなければならない」と言いました。情報が独占された状態では民主的な社会を作ることはできないということです。
 まさに今の日本ではこの問題が大きくなっています。日本ではやっかいな問題が複数あります。1つは国内の情報産業の統制が他の先進国にないほど強いこと、また政府や企業の言うことを疑い検証する活動が弱いこと、さらに海外の情報とは言葉の上で断絶があること、こんなこともあって、日本では世界と比べても、情報の流通に大きな問題があると考えます。ラテンアメリカでも情報産業の独占の問題はあるものの、ほとんどの地域がスペイン語とポルトガル語なので、びっくりするほど世界の情報が伝わりやすかったりします。植民地化の結果という苦いことの反面のことでしかありませんが、日本は表向きの植民地化こそ免れたけれども、実質的に主権を失い、歪な社会になってしまっています。特にそれは情報面で大きな問題として現れています。人が立ち上がろうとする時にはどうしてもこの情報が鍵であるにも関わらず。
 
 情報を自由に共有していくことで、学び会う機会が生まれ、そしてその中から新しい人へ情報が伝わっていく、次の世代が育っていく、その経験がさらに別の新たなプロジェクトを生んでいくことを夢見ています。つまり、情報とはこんな形で育てていくことができるのではないか、と考えており、そのいってみればパイロットプロジェクトとしてこのプロジェクトを始めてみたいと思ったのです。だからいささか大げさな名前にさせていただきました。

 大学や出版も厳しい状況にある中、今後、日本はさらに情報の自由な流れが規制されてしまうことを危惧せざるをえません。そんな中、自由に情報を共有し続けることは私たちが生きていく上で不可欠な活動であり、その活動を強めていくこと、その可能性を示していくことは以前にまして重要性を増していると感じています。

 そして日本にはもう1つの問題があります。それは食です。食の問題は人間が生きていくためには不可欠なものであり、根本的な人権の柱です。でも、日本ではこの問題が不思議なほど無視され続けています。これは近代日本がたどった特殊な歴史と関わっていると思います。
 
 この2つの問題の取り組みなしに、現在、日本社会が抱えている問題は解決不可能であると考え、このプロジェクトの名前を「食からの情報民主化プロジェクト」として活動していきます。

 このプロジェクトはブログやSNSでの情報発信を続けることが基本にありますが、メールマガジンも発行していきたいと思います。そして、オンラインの意見交換の場も作りたいと思います。
 この活動を経済的にも支えていただける方はぜひ、以下のフォームからお申し込みいただければ大変幸いです。質問のある方は、連絡フォームから質問をお寄せください。これまでに達成できたこと、これから達成したいこともぜひご覧ください。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  印鑰 智哉(いんやく ともや)