グリホサートは脳内炎症、アルツハイマーの原因? 欧州司法裁判所への裁判に注目

 日本の農薬村はモンサント(現バイエル)の農薬、ラウンドアップ(主成分グリホサート)の安全性は確認された、などと滅茶苦茶な情報を流しまくっているが、こんな状況は特殊日本的。海外ではその危険を伝える最新研究のニュースは続々と止まらないし、海外のホームセンターではラウンドアップは姿を消していたり、訴訟が山のように延々と続いている。
 今回の話はヨーロッパの話。EUはグリホサートの使用を2023年に10年認めてしまったが、その承認が違法であるとして、ヨーロッパの市民団体が訴訟に持ち込んだのだ。歴史的な裁判になると期待が高まっている¹。 “グリホサートは脳内炎症、アルツハイマーの原因? 欧州司法裁判所への裁判に注目” の続きを読む

遺伝子組み換えサーモン事業、破綻

 破産寸前状態が続いてきた遺伝子組み換えサーモンを作るAquaBounty社、ついに唯一残った事業所の閉鎖し、実質的にほとんどの従業員を数週間以内に削減、CEOの辞任を発表。米国とカナダ政府、さらにはPEI州政府の支援を受けながら、消費者が望まない遺伝子組み換えサーモンの事業は続かなかった。
 米国政府がつぎ込んだ公金、そしてPEI州政府からの150万ドルは泡と消えるのだろうか?

“遺伝子組み換えサーモン事業、破綻” の続きを読む

公金が支える遺伝子操作魚企業が破綻寸前

 食料危機を加速する遺伝子操作企業、公金を吸い続けなければ自らを維持すらできない。米国のAquaBounty社、遺伝子組み換えサーモンを開発するも、まったく売れず、ついにその卵の生産拠点のあったカナダのプリンスエドワード島の施設を売却、米国インディアナ州の施設も売却、オハイオ州に新規工場を作るとしていたが、その建設も中断。いよいよ破産、というところで、なんとカナダ政府とプリンスエドワード州政府がAquaBounty社に231,095ドルの資金供与。さっそくその公金のつぎ込みに批判が集まっている。 “公金が支える遺伝子操作魚企業が破綻寸前” の続きを読む

米国政府の遺伝子組み換え生物規制緩和を裁判所が覆す判断

 これはすごい朗報! 今度は米国市民が勝った!
 前トランプ政権は2019年に遺伝子組み換え生物の規制をなし崩しにする大統領令を発し、その政策は2020年から実行され、米国政府は多くの遺伝子組み換え作物、樹木、芝などの監視をやめてしまったが、それに対して、市民団体がその違法性を訴えていた。12月2日、連邦地方裁判所はこの政策を覆し、遺伝子組み換え生物は規制しなければならないという判断を下した。 “米国政府の遺伝子組み換え生物規制緩和を裁判所が覆す判断” の続きを読む

生物多様性条約COP16会議の成果:アフロ系コミュニティの声に耳を

 さまざまな生物が激減する生物多様性絶滅危機が進行している。ハチが姿を消し、蝶や鳥も激減している。その危機を食い止めることができるのか? コロンビアのカリで10月21日から開かれていた生物多様性条約締約国会議CBD-COP16が11月2日に閉幕した。
 合意にたどり着けないまま代表者が帰国する国が多く、結局、会議では多くのことが決まらないまま、再開のめども立たないという状況だが、限られた会期の中で成果もいくつかあった。そのことをメモしておきたい。 “生物多様性条約COP16会議の成果:アフロ系コミュニティの声に耳を” の続きを読む

遺伝子組み換え食品による健康被害の3形態

 日本ではまず流れないのが遺伝子組み換え食品(GMO)の健康影響に関わる情報。バイテク企業が作った監視団体がマスコミににらみを効かせて、脅すので、マスコミも自己規制してしまっている。でも、それは日本の特殊事情。海外でも同様の傾向はあるにしても情報は流れている。ちょっと昔なら米国でGMOを気にする人なんてほとんどいなかった。でも今や過半数の人が食べるのを避けている。それが日本は逆。むしろ毒性は強まっているのに、より気にしなくなりつつある。その原因は情報流通。情報が流れれば日本も変わる、というのは今回の選挙結果を見れば明らかだろう。情報が共有されれば変わる。いつか流れることを祈りつつ、何が問題なのか、GMOの問題はあまりに広範囲に及ぶために書き出したら1冊の本になってしまう。ということで断片情報を少しずつ。 “遺伝子組み換え食品による健康被害の3形態” の続きを読む

南ア最高裁、遺伝子組み換え作物への画期的判決

歴史的快挙:南ア最高裁はモンサント(現バイエル)が開発した干ばつ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの許可に対するアフリカ生物多様性センター(ACB)の訴えを認め、許可を取り消した。それだけでなく、この判決は南ア政府が遺伝子組み換え食品を適切な健康や環境影響の評価なく認めていたことに問題を投げかけることになった。9年越しの裁判が決着した。 “南ア最高裁、遺伝子組み換え作物への画期的判決” の続きを読む

合成生物学+AI技術=ブラックボックス・バイオテック

 気候変動と共に深刻な影響を及ぼすのが生物絶滅危機。ハチがいなくなれば実を付けなくなって食料も作れなくなる。そんな生物多様性の危機に対処することが期待されるのが国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)。コロンビアのカリで10月21日から始まり、11月1日まで続く予定。
 どのように生物多様性を守るのか、というテーマに集中できればいいのだが、それをもっと困難にする危機が生まれつつある。それを作り出すのがバイオテクノロジー企業とAI技術の融合。合成生物学、「ゲノム編集」などをAI技術が統合していく。つまり、「こんなタンパクを作って」、とAIに頼めばと、AIがタンパク質を設計し、バイオ工場で作ることができてしまう、すでに技術的にはそこまで実現できる時代になってしまった。 “合成生物学+AI技術=ブラックボックス・バイオテック” の続きを読む