リオグランデドスル水害、ブラジルの食料危機に?

 リオグランデドスル州の被害は想像超えて、大きな問題になってしまいそうだ。大規模農業が盛んな地域だがセラード地域が輸出向けの大豆生産が多いのに対して、リオグランデドスル州ではブラジルの稲の7割を占め、それは国内向け。収穫が進んでいたものの、それは終わっておらず、国内の食料事情に大きな影響を与えそうだ。
 そして、この地域はアグロエコロジーによる米生産の半分を生産する地域。1万トンの有機米が失われた可能性がある。この有機米の多くはMST(土地なし農業労働者運動)に属する農民たちが作っている。もともと土地を持たない農業労働者が農地改革によって土地を得て、農薬も化学肥料も使わないアグロエコロジーによって生産を拡大してきた。そしてそのお米は都市部のホームレスにも提供されてきた。MSTはラテンアメリカ最大の有機米生産団体となっている。 “リオグランデドスル水害、ブラジルの食料危機に?” の続きを読む

岸田首相のブラジル訪問:何しに行った?

 能登半島ではまだ水さえ不足しているというのに岸田首相はフランス・ブラジル・パラグアイ訪問。何しに行ったのか?
 
 4.11億円と拠出し、日・ブラジル・グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ(GPI) を行うと約束した¹。「環境・気候変動対策及び持続可能な開発を軸として、日本の技術活用による協力を通じて戦略的グローバル・パートナーシップの一層の強化を図るもの」としているけれども、環境や気候変動の名の下に、それに反することをやるのがこれまでだっただけに、中身が気になる。 “岸田首相のブラジル訪問:何しに行った?” の続きを読む

ブラジルの反飢餓政策の復活:ホームレス運動による「連帯キッチン」が政策に

 食と政治の関係、もっともドラマチックに表現しているのがブラジルかもしれない。ブラジルは飛び抜けた極少数の金持ちが過半数の農地を独占する一方で、多くの飢餓状態の人びとが苦しんでいた。1993年以降、市民による反飢餓運動が全国に広がり、ついに2001年、労働者党の大統領が選ばれる。そして生まれた飢餓ゼロの政策と小規模家族農家を支援する政策。飢餓人口は急速に減少し、2014年、国連の飢餓マップからブラジルは消えた。 “ブラジルの反飢餓政策の復活:ホームレス運動による「連帯キッチン」が政策に” の続きを読む

ユーカリ植林がSDGsという時代錯誤の全面広告。伊藤忠は世界の恥

 あまりの時代錯誤の伊藤忠の広告に呆れて言葉が出てこない。
 昨日、現在の気候危機や生物大量絶滅危機の直接的な原因を作り出した一撃が1970年代に南米で軍事独裁政権によって始められた新自由主義的政策であることを学習会で報告させていただいた。それらはユーカリ植林であり、セラード開発という形で進行した。それを可能にしたのが日本政府の政府開発援助であり、伊藤忠を含む製紙会社連合による投資だった。
 その学習会の翌日にこの伊藤忠による左右全面ぶち抜き広告が日経新聞に掲載された。あたかもユーカリ植林がSDGsであるかのように言いたげである。
写真をクリックして拡大 “ユーカリ植林がSDGsという時代錯誤の全面広告。伊藤忠は世界の恥” の続きを読む

遺伝子組み換え植林を止めよ!

朗報:FSC(森林管理協議会、Forest Stewardship Council)は遺伝子組み換え樹木禁止というポリシーを覆すプロセスを進めることから撤退した。
 遺伝子組み換え農作物は環境にも大きな影響を与えるが、比較的、栽培開始から収穫までが短いため、環境に曝される期間は限られている。しかし、樹木の場合はそれが数年に及び、しかも広大な植林地が遺伝子組み換え植林になってしまうとその環境に与える影響は多大なものになると懸念される。 “遺伝子組み換え植林を止めよ!” の続きを読む

近刊のお知らせ。 『ブラジルの社会思想』小池洋一・子安昭子・田村梨花 現代企画室

ブラジルの社会思想共生の知を求めて 表紙 ブラジルの社会思想を彩る思想家、実践家、芸術家たちを通じてそのダイナミズムに迫る本。僕はほんの短いコラムを書いただけなのですが、扱われた人物のそうそうたる名前を見るだけでもその営みの大きさを改めて再認識します。なんと512ページの大著になったとのこと。出版されるのが楽しみです。 “近刊のお知らせ。 『ブラジルの社会思想』小池洋一・子安昭子・田村梨花 現代企画室” の続きを読む

年金とアマゾン破壊の関連を問う

 アマゾン森林がもう終わってしまうかもしれません。膨大な生物多様性を保持するアマゾン。世界の生態系にも大きな影響を与える森林がこのままではなくなり、サバンナや砂漠へと変わっていくかもしれません。そうなれば、気候変動はもちろん、ここにしかいない生物は絶滅し、それと共に未曾有の感染症に人類は脅かされることでしょう。その破壊の火に油を注いでいるのが日本の年金なのです。
 その破壊の実態を現地の市民団体が明らかにした調査を元に、調べ、日本との関わりを明らかにしたレポート『年金とアマゾン破壊の関連を問う~大手牛肉加工企業への資金提供~資金運用体制の抜本的見直しを』をFair Finance Guide Japanから出しました(この企画提案、執筆・編集の一部を印鑰が担当しました)。ぜひ、ダウンロードして読んでいただきたいです。拡げていただけるとありがたいです。 “年金とアマゾン破壊の関連を問う” の続きを読む