農薬規制の抜け穴:種子コーティング

 農薬使用は米国でも規制される流れになっているが、まったく規制されていない抜け穴がある。それがタネへの農薬コーティング。米国で生産されるトウモロコシのほとんど、大豆の大部分の種子がネオニコチノイド系農薬などの農薬でコーティングされている。タネにコーティングされたネオニコチノイド系農薬は作物が生長するにつれて植物の細胞に埋め込まれる。それを食べた虫は死ぬ。その毒性は出荷される農作物でも維持され、健康にも影響を与えることが懸念される。
 虫だけではない。コーティングされた物質の大部分は土壌に溶け出し、土壌微生物や鳥などの野生動物にも影響を与えていることが知られるようになってきている。ネオニコチノイド系農薬の規制は強まる傾向だが、この種子コーティングは現在、米国では環境保護局(EPA)では把握すらしておらず、規制法も存在していない。
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