政府は今の方向が唯一の方向であると言い切るが、本当にそうか? 種子の知的財産権を守るUPOV条約の遵守こそが日本の農業を発展させる唯一の道だとして種苗法も改正してしまったが、UPOV条約を作り出した本家のEUでは、そのUPOVの原則を変える重要な種子政策を2022年1月から実施している。UPOV条約体制下では無視される有機農家の在来種を販売可能とする画期的な転換が行われた。 “EUで始まった有機在来種販売合法化” の続きを読む
グローバルな文脈での種苗法改正が持つ問題
4月1日から改正種苗法が完全実施となるが、この改正がどんな文脈で作られたものなのか、今一度、確認しなければならない。それには日本国内の動きを見るだけではわからない。これは、今、世界で同時進行する多国籍企業による食料システム独占のプロセスの一環なのだ。そして、それを別の視角から見たら、まったく別の展望が見えてくるはずだ。 “グローバルな文脈での種苗法改正が持つ問題” の続きを読む
RCEPと種苗の知的財産権: UPOV体制は種苗産業を萎縮させる
改正種苗法によって1975品種が日本から持ち出し禁止になった、と官報に載る。あたかもそれで効果を上げるように各紙も報道するが、根拠はない(1)。そしてRCEP協定(地域的包括的経済連携協定)の国会審議、14日で東大大学院の鈴木宣弘さんが参考人として陳述されるとのこと。午後には院内集会(2)。世界最大の自由貿易圏を作るというのだから十分な審議が必要のはず。種苗の知的財産権に関わる面から問題を見ておきたい。 “RCEPと種苗の知的財産権: UPOV体制は種苗産業を萎縮させる” の続きを読む
未来の種子のシステムはどんなもの?
未来を先取りしたいと思わないだろうか? 気候変動の激化や生物大量絶滅が危惧されている中で、それへの解決策が示せれば世界に大変な貢献ができることになる。そんなわくわくするような試みがあちこちで行われているものの、それをすべて潰してしまうようなおかしな政治がわたしたちの前に立ちはだかる。それは産業の発展も阻害する。 “未来の種子のシステムはどんなもの?” の続きを読む
新たなタネ、食のあり方を模索する世界、無視する日本政府
未来を先取りして、犠牲を少なくし、より安定した社会を作る。政治を担う人にはそうした姿勢をぜひ持ってもらいたいものだ。ところが日本ではいまだに戦艦大和的な時代錯誤に固執する例がつきない。核エネルギー、石炭発電、「ゲノム編集」などのバイオテクノロジー、種子法廃止・種苗法改悪に向かう動きもその1つと言えるだろう。 “新たなタネ、食のあり方を模索する世界、無視する日本政府” の続きを読む
海外の農民の権利と種苗法改定
種苗法改定にどんな問題があるか、前の投稿で番外編としたことに少し説明加えます(動画あり)。
番外編:国内の農家に種苗法改定により自家増殖を抑制させるだけでなく、その影響は海外の農家にも及ぶ。
農水省は植物品種等海外流出防止総合対策事業に5億6700万円、農業知的財産保護・活用支援事業に3億9300万円の予算概算要求して自家増殖させない体制を構築しようとしている。
これは種苗法改定案に書かれていることではないのですが、種苗法で掲げられた「日本の種苗を海外に流出させない」ための具体的方策として具体化されたものです。 “海外の農民の権利と種苗法改定” の続きを読む
国際タネの日 #InternationalSeedDay
4月26日は国際タネの日! #InternationalSeedDay
種苗法改定が持つ問題、4月19日に神戸新聞社、中日新聞社が昨日(東京新聞は本日)に種苗法改定に疑問を投げかける社説を掲載、長周新聞も大きく取り上げました。しかし、新型コロナウイルス感染で十分な議論も不可能なまま、政府は種苗法を強引に変えようとしています。
こうした動きは日本だけでなく、世界ともつながっています。気候変動激しくなる中、遠くで育成された気候や土に合わない種苗よりも地域の土で育てられた種苗の重要さが強調される一方、多国籍企業は種苗への知的所有権をますます要求し、大きな攻防になっています。 “国際タネの日 #InternationalSeedDay” の続きを読む