『命を守る食卓』(宝島社)をコンビニで!

 鈴木宣弘さん、安田節子さんといっしょに関わらせていただいた本『命を守る食卓』について、本当ならあれこれ書きたかったのだけど、6月出版直後にサーバーの問題でサーバーの再構築までする羽目になり、体調もこれまでにない厳しい状態に追い込まれて、何も書けないまま、時間だけが過ぎてしまいました。遅くなってしまいましたが、この本について書きたいと思います。
 
 日本だけ世界と違って悪い方に動くことがいろんな分野で起きています。食の分野はその中でももっとも典型的。なんでそんなことが起きてしまうのか、というと、やはり日本では情報流通が規制されているから。
 
 日本は自由な国で何でも言える、と思っている人が少なくないかもしれません。でも日本の報道や出版で農薬や遺伝子組み換えの問題を正面から取り上げることはとても少ないです。もちろん、やっているところはあるけれども、小規模なところが多くて、なかなか一般の人たちに届かない。なんで大手がそうした問題を扱わないか、というと、そこに市民には見えない圧力があるからです。
 
 今回、鈴木宣弘さんから声かけていただいた時は正直、半信半疑でした。他の媒体では出そうとしても最後に止められるということを経験し、僕にはほとんど声もかからなくなってくる。でも、宝島は躊躇せずに、出版してくれました。農薬も添加物も遺伝子組み換えも、そして重イオンビーム放射線育種も。重イオンビーム放射線育種問題を取り上げた日本で最初の出版物です。大手の流通に出る本で、こんな本がかつてあったでしょうか?
 
 一番うれしかったのは、この本がコンビニで売っていると聞いたことです。本屋の数が減ってきて、なかなか町で本に出会えない。まだ問題をよく知らない人に伝えたいのに、その回路がない。コンビニでそれが実現できるなら、すごいこと。
 
 話を聞いて、自宅周辺のコンビニをくまなく探してみました。結果は残念ながら見つからず。でも、複数の人がコンビニで見たとのこと。買わないまでも、コンビニでこの本を手にして、何かとっかかりができたかもしれないし、それだけでも大きな成果だと思います。
 
 米国などでは年々、遺伝子組み換え食品を食べないという人の数は増えています。実際に遺伝子組み換え作物は年々、使われる農薬の数や含まれる毒素の数が増え続けていることが知られています。だから、情報さえ流れれば、食べない人が増えるのは当たり前。でも、日本では逆です。「昔は遺伝子組み換え食品について騒いだけど、実際は大したことなかった」というようなことを言う人まで出る。なんでそんな反応になってしまうかというと、日本では大手のマスコミが報道しなくなったからです。
 海外の情報を追っていると、毎月のように日本では報道されない遺伝子組み換え食品の危険を伝える新たな知見が出されています。そして毎年、Non-GMO市場や有機市場は急成長し続けています。でも、日本では「遺伝子組み換えでない」という表示も付けることが困難になって、Non-GMO原料の調達を続けることも難しくなっているという始末です。
 
 情報をしっかり共有することができたら日本も大きく変わっていく。だから、この本が出たことを大切にしていきたいと思います。
 
『命を守る食卓』はOKシードプロジェクトのオンラインショップでも購入できます。
https://okseed.base.shop/

版元ドットコム
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784299049322

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