生物多様性条約COP16会議の成果:アフロ系コミュニティの声に耳を

 さまざまな生物が激減する生物多様性絶滅危機が進行している。ハチが姿を消し、蝶や鳥も激減している。その危機を食い止めることができるのか? コロンビアのカリで10月21日から開かれていた生物多様性条約締約国会議CBD-COP16が11月2日に閉幕した。
 合意にたどり着けないまま代表者が帰国する国が多く、結局、会議では多くのことが決まらないまま、再開のめども立たないという状況だが、限られた会期の中で成果もいくつかあった。そのことをメモしておきたい。 “生物多様性条約COP16会議の成果:アフロ系コミュニティの声に耳を” の続きを読む

兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSの報道を見る

 兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSが特集した。短い特集なので深さは望めないが、取り上げ方は悪くなかったと思う。
 
 この騒動の発端は佐用町が住民に一切何も知らせずにユーカリ植林の試験植樹を始めたことに始まる。町民が知ったのは植林が始まって半年以上経ってからの新聞報道がきっかけ。番組によると、町の計画は東京農工大学と町と金融機関が組んで、ユーカリを本格植林して、バイオマス発電所を作り、そこで発電するというものらしい。 “兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSの報道を見る” の続きを読む

兵庫県佐用町でユーカリ植林? 杜撰な計画は見直しを!

ユーカリの大規模植林は世界各地で環境や社会に甚大な影響を与え、大問題になっている。その植林はこれまで熱帯地域が中心で、日本でユーカリ大規模植林をするという話は聞いたことがなかったのだけど、日本の兵庫県佐用町で最大東京ドーム3個分に相当する15haのユーカリ植林をするという計画が進んでいるという。
 
 ユーカリ植林になぜ世界で反対が強いかというと、ユーカリはオーストラリアの乾燥した地域で自生している分は問題ないのだが、水を吸い上げる力が極めて強い。乾燥地域ならユーカリくらいしか生きられないから問題はないのだが、そうでない地域でユーカリを大量に植えれば、水がユーカリに奪われてしまう。川の水量が激減し、湖の水が干からびたケースもある。農業は水が減るので大打撃を受ける。 “兵庫県佐用町でユーカリ植林? 杜撰な計画は見直しを!” の続きを読む

朝日新聞がまた環境破壊企業礼賛記事を流す。ユーカリ植林は森ではない。

 朝日新聞が書くブラジル情報は絶対に信用してはならない。黒を白と言いくるめる記事を何度も見てきた。世界一生物多様性の高いセラードを破壊した農業開発、国際常設民衆法廷が人類に対する犯罪と判決を出した開発を「不毛の大地を緑の穀倉地帯に変えた奇跡の開発」と褒め称え、世界が数々の調査に基づき、牛肉生産をアマゾン破壊の原因として規制を強める中、その関係を否定する記事をまともな検証もせずに流し、さらに7月31日には「緑の砂漠」を作り出した日本の政府開発援助を使った事業から生まれた企業、セニブラを礼賛する企業広告としかいいようのない記事を出した。 “朝日新聞がまた環境破壊企業礼賛記事を流す。ユーカリ植林は森ではない。” の続きを読む

ユーカリ植林がSDGsという時代錯誤の全面広告。伊藤忠は世界の恥

 あまりの時代錯誤の伊藤忠の広告に呆れて言葉が出てこない。
 昨日、現在の気候危機や生物大量絶滅危機の直接的な原因を作り出した一撃が1970年代に南米で軍事独裁政権によって始められた新自由主義的政策であることを学習会で報告させていただいた。それらはユーカリ植林であり、セラード開発という形で進行した。それを可能にしたのが日本政府の政府開発援助であり、伊藤忠を含む製紙会社連合による投資だった。
 その学習会の翌日にこの伊藤忠による左右全面ぶち抜き広告が日経新聞に掲載された。あたかもユーカリ植林がSDGsであるかのように言いたげである。
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遺伝子組み換え植林を止めよ!

朗報:FSC(森林管理協議会、Forest Stewardship Council)は遺伝子組み換え樹木禁止というポリシーを覆すプロセスを進めることから撤退した。
 遺伝子組み換え農作物は環境にも大きな影響を与えるが、比較的、栽培開始から収穫までが短いため、環境に曝される期間は限られている。しかし、樹木の場合はそれが数年に及び、しかも広大な植林地が遺伝子組み換え植林になってしまうとその環境に与える影響は多大なものになると懸念される。 “遺伝子組み換え植林を止めよ!” の続きを読む

遺伝子操作樹木がもたらす問題のレポートが発表に

 環境にいいはずと思ってFSCラベルの製品を買ったら、それが遺伝子組み換えの木から作られていて、モンサントの農薬グリホサートを広域に撒いて作られていることになるかもしれません。今、重大な基準の変更がFSCで行われようとしています。
 「ゲノム編集」を含む遺伝子操作食品(遺伝子組み換え食品)は環境危機を深刻化させます。でも、食品以上に甚大な影響を与えることが確実なのが遺伝子操作樹木(GE Trees)。食品と違って、人が食べない、そして植えられるのは人が声を上げにくい地域ということもあって、その危険がなかなか社会に伝わらず、遺伝子操作樹木の大規模植林が世界で急速に進むことが懸念されています。 “遺伝子操作樹木がもたらす問題のレポートが発表に” の続きを読む

産業的単一植林の12のウソ:単一植林は森ではない

 9月21日の単一植林に対して闘う国際デー、世界各地で大規模産業的単一植林に反対行動が行われた。現在、世界で産業用の原料とするために、生態系や地域社会への影響を考慮しない大規模な単一植林が行われている。生態系を回復させるための植林に反対しているわけではもちろん、ない。川や湖がなくなる、飲み水が汚染される、職が得られなくなり、人が生きられなくなるような変化を強いていながら、そうした植林は、一見、緑に見えることもあって、公的資金や人びとの「善意」の投資も含めてつぎ込まれる。
 
 何がどう問題なのか、『12へのウソへの12の返答』という52ページの冊子が作られ、同日公表された(1)。英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語版がある。とりあえず、目次だけでも紹介してみたい。
『12へのウソへの12の返答』
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