食料システムの大転換:種苗法再改正、革新的新品種開発新法が持つ危険性

 報道から流れる断片的な情報ではつかめないけれども、今、政府は食のシステムを大きく作り替える大きな法改正・法新設を次の国会で実現しようとしています。これまでの日本の食のあり方を大きく変えてしまう土台を多くの人が知らぬ前に作ってしまおうということなのだと思います。 “食料システムの大転換:種苗法再改正、革新的新品種開発新法が持つ危険性” の続きを読む

日本政府の種苗法改正になぜアジアから抗議の声?

 種苗法改正について連続して書いていますが、今回の法改正で出てくるのが「戦略的海外ライセンス」というもの。他の国では禁止だけど、特定の国・地域には日本からの輸出時期には市場に出荷しない、日本には出荷しないという条件を元に栽培を許可するというものです。南半球ならば日本と季節が逆なので、日本で収穫できない時に収穫されるので、競合せず、スーパーの棚が年中確保できて、日本産の農産物の輸出が拡大できるという発想です。山梨県知事と小泉前農相との間でシャインマスカットのニュージーランドへのライセンスで騒動になりましたが、あれはこの戦略的海外ライセンスに向けた動きの一つだったと言えるでしょう。 “日本政府の種苗法改正になぜアジアから抗議の声?” の続きを読む

種苗法再改正がめざす新たな食料システムとは?

 今後の国会で種苗法再改正が予定されています。
 前の投稿でも書きましたが、今回は別の角度から問題を指摘します。今回の大きな改正では、種苗法がもはや「種苗」に関する法律に留まらなくなり、生産ー流通までを含んだ「ビジネスモデル」を知的財産として守る法律に変わろうとしています。
 この法改正によって何が変えられようとしているのか、その特徴をまとめてみました。 “種苗法再改正がめざす新たな食料システムとは?” の続きを読む

乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄

 米価高騰、米不足問題を解消する魔法の杖のように現在熱狂的に宣伝されている節水型乾田直播。推進する人たちはもはや世界ではこの栽培方法は当たり前と言っています。確かに北米や南米はもともと水田は少ないので、乾田直播は多いことは事実です。そして、その省力さを利点として、東南アジアや南アジアでも乾田直播を導入する動きが近年進んでいます。
 それでは日本も節水型乾田直播を推進すべき、と即断する前に、海外でこの栽培方法で何が起きているのかを確認することが何より重要だろうと思います。 “乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄” の続きを読む

有機基準の本家からダメだしされた重イオンビーム育種品種の有機農産物扱い

 日本の有機基準が農水省の恣意的な運用で曲げられようとしている。そのことに有機基準創始者団体から「待った」の声がかかった。なによりの朗報。
 それはIFOAM(国際有機農業運動連盟)からの公開書簡¹。IFOAMはそもそもこの世界各国の有機基準を作ることを提案し、各国の基準を作るもととなった有機基準の創始者団体。本部はドイツ。ドイツの国際理事会だけでなく、IFOAMアジアなど世界のIFOAM14団体が加わっているから、農水省の考えは世界から強烈なノーを突き付けられたことになる。 “有機基準の本家からダメだしされた重イオンビーム育種品種の有機農産物扱い” の続きを読む

東アジア植物品種保護フォーラム・UPOVと日本の問題に関するWebinar

 気温が高い。本当に夏を越せるのか、不安になっている人もいるのでは。僕も実はその一人だけれども。すでに世界では異常な高温やそれに伴う自然災害で多くの人が命を落としている。これはすでに1970年代から警告されてきたことだ。それなのに各国政府が対策を怠ってきた。気候対策は一部の企業の利益を損なう(すべての企業ではない)。そうした企業は政府に対策を取らせないように巨額を使って、政府に働きかけてきた。その結果がこれだ。その気候対策をストップさせてきた企業は殺人企業の名を使わねばならないだろう。
 その企業で一番先に槍玉に挙がるのはエクソンモービルのような石油会社だろうが、実はそれだけではない。種子・農薬・化学肥料・食肉企業・流通企業なども実は気候対策を妨害する上で、大きな力を発揮してきた。 “東アジア植物品種保護フォーラム・UPOVと日本の問題に関するWebinar” の続きを読む

石破政権の農政転換は本物? 危険なその方向

 石破政権はコメの価格高騰対策として、増産に向けた新たなコメ政策への転換を昨日の閣僚会議で決めたと報道されています。これまでの減反政策が変わるということで、重要な政策転換と見るむきもあるかもしれません。
 でも、これは本当にどんな転換になろうとしているのか、注意が必要です。これまでの自民党農政とは何であったか、というと、米国農産物の大量買い入れを前提とした食料生産抑制政策であり、その柱が減反政策であったと思います。減反政策が変わったとしても、米国農産物の大量買い入れは、トランプ関税交渉を見れば明白なようにむしろ強化されかねない状況です。この農政全体が変わるわけではないことがわかります。それでは石破政権は農業政策をどう変えようとしているのでしょうか? “石破政権の農政転換は本物? 危険なその方向” の続きを読む