種苗法再改正に向けたパブコメ2

 米不足で国内の生産をしっかり増やすことが必要な事態になっても、米輸出の計画に力を入れ、同時に米の輸入を増やすという愚策に走る政府。これは根本的に異常な方向なのであり、これを放置していたらさらにおかしな事態に陥る。
 今、日本の2020年の種苗法改正が何であったか、英語でまとめている。海外の団体から出版する予定なのだけど、その改正の目的をめぐり、理解してもらうのに苦労した。なぜかというと、普通、種苗法改正とはタネを売るためのものなのだ。でも、2020年の改正では売るのではなくて、売らないことが先に来る。「そんなことありえない」というのが海外の人から見た最初の感想。 “種苗法再改正に向けたパブコメ2” の続きを読む

種苗法再改正に向けたパブコメ

 2020年に種苗法が改正になり、それがまた来年、再改正が予定されている。それに関わるパブリックコメントの締め切りが迫ってきた(6月16日締め切り)。
 なぜ改正したばかりの法律をまた改正しなければならないのか、どんな問題があるのか、少し、パブコメからは離れるけれども、簡単に整理しておきたい。 “種苗法再改正に向けたパブコメ” の続きを読む

種苗法改正を地ならしするパブリックコメント、本日開始

  種苗法再改正、農産物輸出戦略改正を地ならしするパブリックコメントが本日スタートする。コメント募集期間はわずか2週間、6月16日締め切り。優良品種の管理・活用のあり方等に関する検討会 中間報告案に関するパブリックコメント。
 優良品種の管理・活用のあり方とは簡単に言えば、タネの独占権の守り方・生かし方と読めばいいだろう。つまり、改正種苗法の課題、さらにはさらなる種苗法改正をめぐることが主題となっている中間報告だ。なぜたった2週間しかコメントを募集しないかというと、昨年の食料・農業・農村基本計画改訂に伴う検討会の中間報告だから、行政手続法上の対象にならないので、1月も必要ないという判断なのだろう。でも、日本の食のあり方に大きく影響があるテーマだけに、このようなパブコメは欧米なみに2ヶ月くらい期間を設けて、必要に応じてさらに延長して、この問題に関係する人が広くコメントできるように本来すべき話のはずだ。この問題に関係する人は誰だろうか? 誰もが食べなければ生きていけないのだから、すべての人のはずだ。となれば、この2週間の募集期間は短すぎる。 “種苗法改正を地ならしするパブリックコメント、本日開始” の続きを読む

消費者庁消費者基本計画に関するパブリックコメントにコメントを!

 日本の政治の劣化を象徴するのが消費者庁かもしれない。「消費者」という名前を打った官庁なのに、消費者の利益や権利は無視して、企業のための政治を推し進める、いやそれどころか、消費者庁の中に企業の人たちがそのまま入ってきていることもわかっている。企業の、企業による、企業のための行政官庁に堕したのが消費者庁であって、もう名前を変えてほしい、としかいいようがない。 “消費者庁消費者基本計画に関するパブリックコメントにコメントを!” の続きを読む

花粉症を軽減する遺伝子組み換えイネのパブリックコメント

 花粉症を軽減する遺伝子組み換えイネの隔離圃場での栽培などに関するパブリックコメント。締切10月5日。
 スギ花粉への花粉症を軽減させるために、スギの遺伝子をイネに組み込むというもの。除草剤耐性も持つという。 “花粉症を軽減する遺伝子組み換えイネのパブリックコメント” の続きを読む

遺伝子組み換え生物の規制緩和を進める日本、米国では訴訟に

 明日が締切の内閣府食品安全委員会の遺伝子組み換え食品に関するパブコメを前に、意見表明します。
 遺伝子組み換え企業の行き詰まりが2015年以降、深刻になっています。世界の市民が遺伝子組み換え食品を拒否したこと、遺伝子組み換え作物の栽培が農家にとってもメリットがないことが明らかになったこと、そして環境に多大な影響を与えていることを考えれば、その事態は当然のことと言えます。あらゆる面でデメリットの明らかになった遺伝子組み換え農業を終わらせる時です。 “遺伝子組み換え生物の規制緩和を進める日本、米国では訴訟に” の続きを読む

お酒の「ゲノム編集」パブリックコメント

 今度はお酒まで「ゲノム編集」かい? パブリックコメント「酒類分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の取扱いについて(案)」に対する意見募集(1)。
 なんで酒類限定で「ゲノム編集」生物についてのパブコメをするのか、理解に困った。すでに「ゲノム編集」生物については農水省、環境省、厚労省がすでに2019年10月に方針を決めてしまっている(国会では何も議論せずに省内の検討会だけで方針を決めてしまった)。それには麹や酵母などの微生物も含まれるだろう。酒だけでなく、味噌、醤油、パンなどの発酵食品もあるのになぜ酒だけ?  “お酒の「ゲノム編集」パブリックコメント” の続きを読む

フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声

 年末年始にかけて行われたフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメントの結果が公表された。フードテックというのは曖昧な言葉だが、その中身は細胞培養肉などの細胞性食品、「ゲノム編集」技術、昆虫食、代替肉、さらには食品管理技術などが含まれる。
 しかし、そもそも「ゲノム編集」技術を使った食品は国会での議論もなく、省庁内の検討会だけでゴーサインになってしまった。そして、細胞性食品も、そこにどんな技術が使われ、どんな問題が起きるか、十分な検討はなされていない。
 にも関わらず、農水省が推進を決めたことには強い違和感を感じる。そして、実際、寄せられたコメントのほとんどは推進反対で埋め尽くされた。
 ところが農水省はこのパブコメをこの言葉で締めくくる。
「御意見をお寄せいただきました皆様方に深く御礼申し上げるとともに、今後ともフードテックの推進に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
 
 推進するな、という圧倒的な声に対して、まったく馬耳東風そのもの。ほとんどパブリックコメントをやる意義を理解していないとしかいいようがない。 “フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声” の続きを読む