今月開かれた米国の全米有機基準委員会(NOSB)での人為的突然変異品種(以下IM品種、IM=Induced Mutagenesis)をめぐる議論を読んだ。その議論は有機の原則を踏まえた内容になっていた。そこから読み取れたのはIM品種は排除するという意志だった。日本の農水省とは真逆である。 “米国の有機基準でも「あきたこまちR」はアウト” の続きを読む
節水型乾田直播と重イオンビーム
節水型乾田直播について、雑草イネの発生とその対処として農薬耐性イネが導入されるリスクについて11月20日に書いたが、その与える影響はそれに留まらない。土壌の状態にも大きな変化が生まれてしまうことを指摘する研究がすでに出ている。 “節水型乾田直播と重イオンビーム” の続きを読む
アジアで高まる遺伝子操作米の登場の危惧
アジア地域に遺伝子操作品種の脅威が高まっている。しかも、そのターゲットはお米(稲)だ。 “アジアで高まる遺伝子操作米の登場の危惧” の続きを読む
「あきたこまちを守る会」県民集会(秋田県秋田市)
6月28日に秋田市で開かれた『「あきたこまちを作り続けたい」「あきたこまちを食べ続けたい」人のための県民集会』はすばらしいものだった。
いくつもの重要な問題が提起された。たとえば食味が違う。特に甘味、粘り、硬さの点で食味が違うという声が「あきたこまちR」を試食した人から多く聞かれた。でも、それ以上に気になるのはこの暑い夏に耐えられるか、ということだろう。
重イオンビーム放射線で遺伝子を損なった「あきたこまちR」と「あきたこまち」とのはっきりとした違いは塩基1つだけ、4億分の1の違いとなればほとんど同じと考えるかもしれない。でも、塩基の中にもキーストーンとなる働きを持つ塩基もある。その塩基が欠損したために生命としての維持能力に深刻な問題が出ることもある。おそらくそんな実例として「あきたこまちR」は今後記憶されることになるのではないだろうか? “「あきたこまちを守る会」県民集会(秋田県秋田市)” の続きを読む
秋田県小坂町の「あきたこまち」から基準値越えるカドミウム検出
秋田県の「あきたこまち」から基準値を上回るカドミウムが検出されたという報道が出た。基準値の0.4ppmに対して、最大0.87ppmというからかなり高い値ではある。
もっとも、たまたまこうしたお米を食べたとしても直ちに健康被害に至るようなことは考えにくい。カドミウムは有害な重金属とされるが、まったく人体にないと筋無力症にもなってしまうという¹。つまりごく微量は必要であり、それを越えて蓄積されると問題を引き起こす。 “秋田県小坂町の「あきたこまち」から基準値越えるカドミウム検出” の続きを読む
土壌改良材でカドミウム汚染対策
重イオンビーム放射線育種米への転換を進める動機として、カドミウム汚染がある。カドミウム汚染対策は万策尽きて、重イオンビーム放射線育種品種に頼るしかない、ということなのか、調べていくと、そうではないことがわかる。海外での研究でも有機堆肥を活用することの有用性が確認されている。その実証研究が日本でも行われていて、土壌改良材を用いることで劇的に下がることがわかった。そして、その土壌改良材を用いた水田で作ったお米が食味コンクールで金賞を受賞した。うまくて安全、というのはこの上ないことではないか。しかも重イオンビーム放射線育種など使っていない。 “土壌改良材でカドミウム汚染対策” の続きを読む
消費者庁消費者基本計画に関するパブリックコメントにコメントを!
日本の政治の劣化を象徴するのが消費者庁かもしれない。「消費者」という名前を打った官庁なのに、消費者の利益や権利は無視して、企業のための政治を推し進める、いやそれどころか、消費者庁の中に企業の人たちがそのまま入ってきていることもわかっている。企業の、企業による、企業のための行政官庁に堕したのが消費者庁であって、もう名前を変えてほしい、としかいいようがない。 “消費者庁消費者基本計画に関するパブリックコメントにコメントを!” の続きを読む
放射線育種と「ゲノム編集」の関係
このままでは日本は遺伝子操作大国に? 世界でスーパーで「ゲノム編集」食品を今、売っている国は日本くらい。それだけでなく、主食を重イオンビーム放射線育種したものにしようとしている国も日本くらい。そして、さらに重イオンビーム放射線よりも汎用性の高い中性子線育種を民間企業が始めたが、これも日本だけ。 “放射線育種と「ゲノム編集」の関係” の続きを読む
