農水省の食品安全性に関する有害化学物質・微生物調査について

 農水省が26日、今年度の「食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画」を公表した¹。

 特定の重金属、化学物質、微生物(カビ毒、ウイルス)などに関して、対象を限定して、食品の実態調査を行うものだ。
 注目するのは、お米の他に、ハチミツや飼料に含まれるカドミウムやヒ素が対象になり、またPFASも対象に上げられていることだ(対象となるのはPFOS、PFOA、PFNA及びPFHxSの4種類)。 “農水省の食品安全性に関する有害化学物質・微生物調査について” の続きを読む

半世紀前のカドミウム対策のアップデートを

 反公害運動は1970年の公害国会で多大な犠牲の上に世界に先駆けて汚染企業の責任原則を法制化するという金字塔を打ち立てた。しかし、その後の政治はそれを形骸化させた。新たな汚染が進もうとする今、この意義を再確認する必要がある。 “半世紀前のカドミウム対策のアップデートを” の続きを読む

カドミウム汚染への対抗策:在来種Pokkaliの可能性

 インドのケララ州ではカドミウムを稲の実には吸いにくいポッカリ(Pokkali)という在来種の稲があることを知って、関心はあったのだけど、バンダナ・シバさんからこの稲が実はインドの中でももっとも歴史の長い有機栽培の伝統を維持していることを知り、さらに関心がわいた。
 このポッカリは3000年前から栽培されていたことがわかっているという。なぜ、有機生産を続けられてきたかというと、エビの養殖との組み合わせで化学肥料を入れずに肥沃さが保たれるということと、その組み合わせゆえ、同じ面積の田んぼからあがる収益も倍になるかららしい。その有機農法はポッカリ・システムと呼ばれている。 “カドミウム汚染への対抗策:在来種Pokkaliの可能性” の続きを読む

PFAS汚染された農地をどうする?

 誰もが生きるなら汚染のない世界で生きたい。でも、今の世界は汚染が進み、人のいない極地地域でも汚染は発見される。この汚染された世界でどう生きたらいいのか。世界の命をこの汚染からどう守ればいいのか、汚染を減らすにはどうすればいいのか?
 
 言うまでもなく、まず汚染の進行を止めること。汚染物質を禁止し、汚染させた企業、軍などの組織に責任を取らせること。
 でも汚染されてしまった農地はどうするのか。放射性物質、カドミウムやヒ素などの重金属、ラウンドアップ(グリホサート)などの農薬、さらにはPFASなどによって汚染されている農地がある。まったく汚染されていない農地はないだろう。大なり小なり、この汚染された農地からどう安全な食を確保するのか、考えなければならない時代に入っている。 “PFAS汚染された農地をどうする?” の続きを読む

このままでは日本は汚染列島に。下水汚泥肥料には注意。

 ウクライナへの戦争以降、化学肥料原料の不足・高騰が大問題となった。農水省は国交省と組んで、下水汚泥の肥料への活用を進め、全国の下水処理場でその施設の建設・増強が進み、安い下水汚泥肥料の利用が増えている。家庭菜園用に売られている肥料でも使われている可能性がある。
 でも、この下水汚泥肥料(コンポスト肥料)を使うと何が起きるか、すでにわかっていることがある。その土壌中にカドミウムや作物中のカドミウムが増える、そしていったん入ったカドミウムは簡単に消えていかなくなるとする報告がある⁽¹⁾。 “このままでは日本は汚染列島に。下水汚泥肥料には注意。” の続きを読む

重イオンビーム育種米で何が変わる?

 重イオンビーム放射線育種品種に変わると何が変わるのか。図にしてみた。オリジナルの「コシヒカリ」は特許許諾料はもちろん、品種許諾料も不要で自家採種ができるので有機農業にも適している。だけど、重イオンビーム育種の「コシヒカリ環1号」許諾を得た上で、特許料と品種許諾料を払わないと育てることができない。農水省は自家採種も不可だとしている。
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イタイイタイ病、カドミウム汚染の告発はどう可能になったか?

 『神通川流域民衆史 いのち戻らず大地に爪痕深く』能登印刷出版部
カドミウム汚染と言えばイタイイタイ病。なぜこの公害病が生まれたのか、そして行政やメデイアはどう動いたか、事態解明・打開を可能にした主体は誰であったかを浮かび上がらせる本。 “イタイイタイ病、カドミウム汚染の告発はどう可能になったか?” の続きを読む