食料危機で日本はどう変わるか?

 なぜ、日本のメディアは大騒ぎしないのか。かつてない危機が日本に迫っている。その危機は他の先進国には存在していない。先進国の中では日本だけだ。食料危機である。ファイナンシャルタイムズはこう警鐘を鳴らす。「以前からその兆候はあったが、日本は一時的な現象と考えて行動を起こさなかった。今からコースを変えるには遅すぎるかもしれない」(1) “食料危機で日本はどう変わるか?” の続きを読む

米国政府がローカルフードを支援に「農場から学校へ」

 なんと米国政府が「農場から学校へ(Farm to School)」を後押し!
 新型コロナウイルスのパンデミック、さらにはウクライナ戦争でグローバルな食のシステムが揺らいでいる。グローバルな食のシステムに依拠せずにローカル(地域)の食のシステムを作らなければ、という声は世界中で出ている。そして、このグローバルな食のシステムを世界に押しつけてきた当の米国政府がなんと「学校のためのローカルフード協力合意プログラム(the Local Food for Schools Cooperative Agreement Program、LFS)」を始めるようだ(1)。
farm to school
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食料危機・気候危機に対処するためにローカルフードへ

 参院選が終わった。ますます世界に背を向ける日本になってしまった。気候危機も食料危機も関係ないかのよう。でも実際にはこの危機は私たちを確実に痛みつけているし、今後、さらに加速することは確実だ。
 確認しておこう。米国の化学肥料価格指数は今なお高騰状態でBloomberg系のサイトで、2002年の100から現在の889.6と8倍を超えており、2年前の数値と比べても、2.76倍と3倍近い数値を示している。3割上がったとかではなく、一桁上の3倍近い異常なレベルで高留まっている(1)。
 世界の穀物生産はウクライナ戦争だけでなく、気候危機によって大きな影響を受けている。それに加えて、化学肥料が買えない事態になればどうなる? “食料危機・気候危機に対処するためにローカルフードへ” の続きを読む

国会閉会前に緊急の食料政策を!

 国会の会期が終わりに近づいてきた。だけど、何を決めたのか? この世界の多重危機の同時進行の時に政治が果たす役割はとても大きい。でもそれが伝わってこない。
 このまま行けば何が起こるか? 食料高騰、収入減る一方の人びとの中で栄養不良状態が深刻化、さらには日本列島の人びとを支える農業が崩壊する大規模な離農が止まらなくなる。それにさらに深刻化する自然災害や感染症が追い打ちするかもしれない。 “国会閉会前に緊急の食料政策を!” の続きを読む

みどりの食料システム戦略成立:議論は尽くせたか?

 「みどりの食料システム戦略」を支える「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案」、21日に参議院農水委員会で可決、そして22日本会議で可決。附帯決議も含めてすべて全会一致。有機農業推進が政策となったことは重要だが、果たして実効ある政策となっているか、それに向けた審議はされたかというと大いに疑問を呈さざるをえない。  “みどりの食料システム戦略成立:議論は尽くせたか?” の続きを読む