気候危機、生物絶滅危機などの多重危機の同時進行を進めている原因を追求していくと、世界のほんのわずかな企業が推進する産業モデルがこの多重危機を加速させ、そのモデルが世界中に各国政府の政策によって広げられている問題にぶちあたる。その勢力の一つが化学肥料企業。
この状況に対して、FUEL to FORKという新しいキャンペーンが始まった。私たちの食は化石燃料でできている! 食べながら気候変動を引き起こしている。だから、食べものを変えれば多重危機も回避できる。まずは食べものから¹。 “化石燃料でできた食を変えよう!” の続きを読む
有機認証は誰のもの?
世界で気候変動が激しさを増し、生物絶滅も想定を超えたスピードで進んでいる。多重危機が同時進行する私たちの世界。この危機を作り出している主因の一つが工業型の食のシステム。この変革はこの危機を克服する上で避けて通れない。
その一つの重要な指標になるのが有機認証である。有機認証というと、日本ではあまり注目されない。「いや、有機認証なんて不要」、そんな言葉も飛び交う。有機認証が工業型の食のシステムから食を守る上で大きな準拠枠となっていることはほとんど知られていないだろう。認証を取る上ではさまざまな問題もあって、取らない人もいる。認証を取るか取らないかはひとまず置こう。食を守る最後の砦として、有機認証をどう守るかを考えなければならないことをぜひ知ってほしい。 “有機認証は誰のもの?” の続きを読む
重イオンビーム放射線育種でも有機認証するって許される?
人はなぜ有機農産物を買おうとするのだろうか?
それは有機農産物が農薬や化学肥料を使っていないから、体にいいから、環境を汚染したくないから、農家の健康が気になるから、地域社会への投資になるから、他の生命も傷つけたくないから、…いろんな理由があるだろう。 “重イオンビーム放射線育種でも有機認証するって許される?” の続きを読む
ヨーロッパと日本のタネ:どう違う? ドキュメンタリー“SEEDS OF EUROPE”を見て
世界でタネが焦点になっていることを5月4日に長い投稿でまとめた。ヨーロッパ、EUでは2つの動きがあることを伝えた。一つは有機農家のタネの促進をめざす方向、もう一つは「ゲノム編集」の導入に向けた動きだ。
でも文字ではなかなか伝わらない。前者の有機のタネに関するとてもいい短いドキュメンタリーがある。“SEEDS OF EUROPE”(34分)。アイルランド、ルクセンブルク、フランス、イタリア、オーストリアとチェコ共和国の農家を訪れ、タネの問題を浮き上がらせる。 “ヨーロッパと日本のタネ:どう違う? ドキュメンタリー“SEEDS OF EUROPE”を見て” の続きを読む
PFAS汚染された農地をどうする?
誰もが生きるなら汚染のない世界で生きたい。でも、今の世界は汚染が進み、人のいない極地地域でも汚染は発見される。この汚染された世界でどう生きたらいいのか。世界の命をこの汚染からどう守ればいいのか、汚染を減らすにはどうすればいいのか?
言うまでもなく、まず汚染の進行を止めること。汚染物質を禁止し、汚染させた企業、軍などの組織に責任を取らせること。
でも汚染されてしまった農地はどうするのか。放射性物質、カドミウムやヒ素などの重金属、ラウンドアップ(グリホサート)などの農薬、さらにはPFASなどによって汚染されている農地がある。まったく汚染されていない農地はないだろう。大なり小なり、この汚染された農地からどう安全な食を確保するのか、考えなければならない時代に入っている。 “PFAS汚染された農地をどうする?” の続きを読む
アグロエコロジー・セミナーで感じた違和感
アグロエコロジーの教科書が日本語で出版されたということで、アグロエコロジーをテーマとするセミナーがいくつも行われた。その一つに参加してみたけれども、違和感を感じざるをえなかった。そのセミナーではアグロエコロジーとは単に自然と調和した農業、というイメージしか感じられなかったからだ。でもアグロエコロジーについてその意義をここ10数年紹介してきた僕にとって、アグロエコロジーとは到底、そんな枠組みに収まるものではありえない。何が欠けているのか考えてみたい。 “アグロエコロジー・セミナーで感じた違和感” の続きを読む
放射線育種米「あきたこまちR」への全量転換に関する秋田県議会への意見
秋田県議会が8月21日まで11のテーマに関するパブリックコメントを求めています。そのテーマの1つが「あきたこまちR」への全量転換についてです。この問題についてはすでにいろいろ書いてきたように大きな問題があり、以下のコメントを送ることにしました。秋田県議会のパブリックコメントに関する情報は以下から得ることができます(手紙、ファックス、メール、Webフォームのどれでも送ることができます)。https://pref.akita.gsl-service.net/doc/2018050800035/
あきたこまちRにもの申す!
秋田県、いや日本を代表するお米、「あきたこまち」を放射線育種後代交配種「あきたこまちR」に秋田県が2025年から全量転換方針決定、という事態を受けて、秋田県に7月28日から8月2日まで行ってきました。
3つの学習会を大仙市、湯沢市、潟上市で行いました。
どんな問題か、要点を書きます。 “あきたこまちRにもの申す!” の続きを読む