米国の遺伝子組み換え食品表示制度に対する訴訟

 米国政府が導入を決めた抜け穴だらけの遺伝子組み換え(GM)食品表示制度に対して、米国市民が訴訟を起こした。

 モンサントの重役が米国政府の中に入り込み、米国政府高官がモンサントの重役になるといういわゆる回転ドアによって、米国政府の政策がGM企業に都合のいいように決定されてしまう状況になっている。これに対して、市民は州政府に働きかけ、州でのGM食品表示制度を作ることに集中し、支持が広がり、2016年にはバーモント州、コネチカット州、メイン州で表示制度を作る法を実現。その他の州でも成立に向けて動いていた。
 この動きに対して、州レベルでは対抗できなくなったGM企業らはGM食品表示制度を連邦レベルで作ってしまい、州レベルでの制度を無効にする先制攻撃に出た。2016年7月に法制化され、2019年に規制のあり方が決定された連邦レベルの食品表示義務制度はまさに穴だらけで、GMO規制を骨抜きにするものだった。 “米国の遺伝子組み換え食品表示制度に対する訴訟” の続きを読む

「ゲノム編集」:種苗への表示が不可欠だ

 遺伝子組み換え(GM)農業の終わりが見えた、と昨日書いた。GM企業は最後のフロンティアとも呼ばれるアフリカでGM農業の拡大を狙っている。先進国ではもはや増やすことは不可能に近く、援助を武器にアフリカ諸国に遺伝子組み換え作物(GMO)の栽培を長年迫っているが、抵抗は大きい。GM企業が言うようにもし本当にGM技術が収穫の向上をもたらし、飢餓から人類を救ってくれるのであればとっくにアフリカ諸国はGM農業に踏み出していただろう。でも、食用のGM作物を作っているのは実質、南アフリカくらい。アジアではGM稲(ゴールデンライス)の栽培を迫るが反対は強い。 “「ゲノム編集」:種苗への表示が不可欠だ” の続きを読む

遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた

「9割近い遺伝子組み換え作物の終わりの始まり」ついに終わりが見えた!
 モンサント(現バイエル)を相手に闘ってきた弁護士アンドルー・キンブレル氏(Andrew Kimbrell)がインタビューで語る。キンブレル氏はモンサントと闘う運動の中心を担ってきた人と言っていいだろう。Center for Food Safety(CFS)というNGOを作り、数々の訴訟でモンサントを追い詰めてきた。その彼が現在のラウンドアップ訴訟をどう見ているか、この重要なインタビューで語られる(1)。 “遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた” の続きを読む