Omnigenics(オムニジェニックス)の理解は今後の鍵

 なぜ「ゲノム編集」や遺伝子組み換えでは画期的な品種が作れないか、生命の遺伝子発現の仕組みを知ることが重要になる。
 「ゲノム編集」や遺伝子組み換えの遺伝子工学においては、1つの遺伝子は1つの機能を持つ。だから、生命の機能をバラバラの部品のようにして、それを組み立てる工学モデルを作る。合成生物学ではすでに自動車の部品のように特定の機能を持つパーツまでが作られている。それを組み合わせれば合成生物のできあがりとなる。ただ、その工学的発想で作れるのは単純な合成生命に限られる。この発想は半世紀前、遺伝子が発見された頃、考えられた古いもので、現在、研究が進む実際の遺伝子発現においては、この想定とはまったく違ったことが起きていることがわかってきている。 “Omnigenics(オムニジェニックス)の理解は今後の鍵” の続きを読む