「永遠の化学物質」PFASが農地を汚染する

 「永遠の化学物質」PFASが農地を汚染する。そして地下水、食も。
 自然では分解することのない合成化学物質PFAS、耐熱、耐水、汚れ防止などのためにさまざまな製品に使われるが、人体には有害でがん、甲状腺異常、肝臓障害、出生異常、免疫抑制など広範な健康被害の可能性がある。米軍基地がその汚染源となっているが、工場から排出されている可能性もある。
 しかし、基地も工場もない農村がこのPFASに汚染される。その原因は肥料として用いられる下水汚泥。つまり工場排水などでPFASに汚染された水が下水に流れ込む。下水処理場の処理で水は浄化されるが、汚泥の中にPFASは残留する。その汚泥が肥料として使われている。米国の市民団体EWGは米国の農地2000万エーカーがPFASに汚染されていると推定されると4月に発表した(1)。2000万エーカーは約800万ヘクタール、日本の全農地の倍近い農地がPFASに汚染されてしまったことになる。汚染された農地では地下水も汚染され、閉鎖を余儀なくされた農場も出ている。 “「永遠の化学物質」PFASが農地を汚染する” の続きを読む