小豆があぶない! 小豆の収穫直前にモンサントの農薬ラウンドアップ/グリホサートが撒かれている!
今、世界の大勢としては、グリホサートはもうやばい、ということになりつつある。特に小麦。イタリアはグリホサートがたっぷり含まれるカナダの小麦の輸入をばっさり削るという。ヨーロッパでもグリホサートのプレハーベストは禁止されつつある。ヨーロッパでも小麦の収穫前にはグリホサートを撒くことが行われていた。そのためだろうが、ドイツのビールからはグリホサートが検出されていた。ホップなどの原料で収穫前散布したからだろう。グリホサートの問題がEUで大きな問題になって、オーストリア政府はグリホサートの禁止を決め、フランス、ドイツ、イタリアも近年中の禁止を決めている。中でも収穫前散布は優先順位が高い。
こうした動向を受けて、乾燥豆の最大生産地であるミシガン州はグリホサートの収穫前散布をやめようとしている。続々とグリホサート(ラウンドアップ)に対する裁判が始まり、米国でもカナダでもテレビをつければそのニュースをやっている。もうグリホサートはお終いにしないといけない感じが生産者たちにも漂い始めている。市場を失うリスクを負ってまでやるほどメリットはないからやめようと。カナダのディラーもインゲン豆などへの収穫前グリホサート散布も今年の収穫から認めないという。
しかし、なんということか…、
小豆だけは別だそうだ。小豆はグリホサート使い続けて問題ない、という結論らしい。なぜなら、この小豆、輸出先はほとんど日本だから!!!
日本政府は大幅にグリホサートの残留基準を上げてくれたし、グリホサートを収穫前に撒いたら買わないなんて言ってこないから、ということだろう(1)。
(1) Glyphosate out as dry bean desiccant
なぜ、収穫前にグリホサートを撒くかというと、撒けば収穫が楽になる(乾燥を促し、さらに不要な部分も枯れてくれる)ということと収穫後の雑草管理も楽になるということ。しかし、収穫直前にグリホサートを浴びせる。遺伝子組み換えでない作物は耐性がないので、作物そのものにかけたら枯れてしまう。だから成長期にはかけないし、直接かけることは以前はなかったのでこうした作物はグリホサートの残留量は低かった。でも最近は収穫を楽にさせるために浴びせてしまう。当然、その作物にはグリホサートが高濃度で残留する。
特に小麦に含まれるグリホサートで腸の炎症、アレルギー、自閉症が高まっているのではという指摘がある。実際にそれらを避けることで症状が改善することも報告されている。
こんなことが知られてきたから、グリホサートの収穫前散布された作物は避けたいという当然の声が出てきている。でも日本向けには無風状態だそうだ。
世界でグリホサートの規制が進む中、日本政府はグリホサートを真逆に2017年12月25日に大幅に規制緩和してしまっている。規制が最大なのがひまわりの400倍(ひまわりは油を取ったり、油取った後は家畜の餌に使われる)だが、それに対して小豆は0.2ppmから10ppmの5倍。しかし、実際に一日に摂取するグリホサートの推定量で見ると、小豆は9位となる。小豆はそう食べる食材ではないので、小麦に比べれば格段に低い(2桁)が、食べる量の個人差は大きいだろう。年齢層では特に高齢者の摂取が多く、高齢者の場合には7番目にグリホサートを摂取してしまう可能性がある、その意味では注意すべき作物になったといえるだろう(2)。
(2) 日本での作物別推定グリホサート摂取量(政府データから PDF)
https://mega.nz/#!CYgEDKwA!eKuiLjK-jr6UfMlneHMWqms8rS69mu7-eRfvT_RckW4
この推定摂取量はグリホサートの規制緩和をする時に日本政府が推定したものだが規制してはいけないと主張するための資料に見えてしまうが、日本政府はグリホサートは安全だからこれくら構わないという見解。
小麦の場合はまだ収穫前のグリホサートの散布は認可されていないということで、国産小麦を選ぶという選択はありなのだけど、大豆では収穫前散布が許可されてしまっており、北海道や九州では大豆の収穫前グリホサート散布のマニュアルも配布されていると聞いている。
そして、小豆を調べたのだが、ショックなことにこれも収穫前散布が認められているようだ。大豆は収穫前日まで。小豆は7日前まで。ということになると国産というだけでは安全かはわからないということになる。やっている生産者がほとんどいなければいいのだが。
収穫前散布をすれば当然、作物には高濃度の残留が起こりうる。だからこそEU諸国では禁止に動く国が出てきている。日本でも収穫前散布の規制・禁止を働きかける必要があるのではないだろうか?
小豆は年々減少傾向にあるが、まだ国内生産が7割ほど(2018年は66%に落ち込んだ。その後が心配)。輸入の半分は中国から、残りの半分はカナダ産がほとんどを占める(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、ロシアからの輸入はごくわずか。世界の小豆貿易の22%を日本が輸入している)。
国内生産の6割以上は北海道。
中国での栽培実態はわからない。カナダ産は現状ではNG。たぶん、加工食品のあんに使われているだろうが、安い加工食品は気を付けた方がいいだろう。
国内での収穫前散布の実態がどうなのか、知りたいところだ。していない小豆を作る生産者の支援も重要。生協や産直を通じて実現できるだろうか? 自給率の減少傾向にも歯止めをかけるには何が必要か、減少を生んでいる要因をしっかりと日本社会の問題として受け止めたい。子どもたちや高齢者の健康のためにも。
日本でもグリホサートの収穫前散布に対しては消費者はゴメンだということを示したいものだ。