ブラジルで広がる農家の種子(クリオーロ種子)

 世界各国で、農家の種子の権利が奪われ、多国籍企業の種子が押しつけられる動きが活発化している中で、ブラジルはまさにそのただ中にある国だ。たびたびの債務問題で混乱状況にあったアルゼンチンで1996年、遺伝子組み換え大豆の栽培がほとんど議論もなく、どさくさに紛れて合法化され、モンサントの遺伝子組み換え大豆の栽培が始まってしまった。モンサントはブラジル政府にも合法化を要求し、政府は答えてしまうが市民団体が裁判に訴え、その栽培はブラジルでは禁止される。しかし、アルゼンチンから非合法化に持ち込まれ、既成事実化され、無理矢理に2005年合法化されてしまう。 “ブラジルで広がる農家の種子(クリオーロ種子)” の続きを読む

世界化する農民の種子を守る運動

 農民の種子の権利を奪う動きが世界化する中で、その動きに対して農民の種子の権利を守るための活動も世界化している。
 ラテンアメリカ・カリブ海諸国16カ国の農民・先住民族組織の代表が農民の種子の権利を守るために、ブラジルに集まり、4月17日から20日まで協議を行った。FAOの食料・農業植物遺伝資源条約事務局や、ブラジルやエクアドルの政府代表者も参加している。 “世界化する農民の種子を守る運動” の続きを読む

インド高裁、モンサントの遺伝子組み換え特許を否定

 モンサントの特許がインドで否定された!
 インド・デリーの地方高等裁判所はモンサントの遺伝子組み換えコットン(Btコットン、BollgardとBollgard II)の特許を否定した。モンサントは最高裁へ上告するだろうが、もし最高裁でも同じ結論になればモンサントはインドから去るかもしれない。 “インド高裁、モンサントの遺伝子組み換え特許を否定” の続きを読む

自ら批准した国際条約を踏みにじる日本政府

 国連人権理事会で「小農と農村で働く人びとの権利に関する権利宣言(以下、小農の権利宣言)」が成立に向け動いている。4月9日から13日まで作業部会が開かれ、日本政府の代表は農民の種子の権利に反対を再び表明し、権利宣言に冷や水をかける発言を12日に行った。 “自ら批准した国際条約を踏みにじる日本政府” の続きを読む

アフリカでの種子を守る闘い:新たな小農のタネのシステムの提案

 アフリカの農民からタネが奪われつつある。先進国はアフリカに生産性を向上させるとして農薬・化学肥料・種子のパッケージを押しつけ、伝統的な種子を使うことに制約をかけようとしている。そして押しつけられる種子の中には遺伝子組み換えが含まれている。 “アフリカでの種子を守る闘い:新たな小農のタネのシステムの提案” の続きを読む

米国司法省、バイエルによるモンサント買収承認

 米国司法省、バイエルによるモンサント買収を承認。これで後残るのはメキシコとカナダ。承認が完了すると種子・農薬・製薬において世界で巨大なシェアを持つ寡占企業が成立することになる。
 この買収によって種子価格がさらに上昇することは確実で、米国のほとんどの農家が反対していた。 “米国司法省、バイエルによるモンサント買収承認” の続きを読む

ゲノム編集による遺伝子組み換え小麦の登場

 米国農務省(USDA)はゲノム編集による遺伝子操作をGMOとして管理する必要を否定し、従来の規制プロセス(それ自身、大いに問題があるものだが)も省略して、ゲノム編集によって遺伝子操作された小麦や大豆の栽培を認める決定を行った。
 これまで小麦の遺伝子組み換え(操作)はされてこなかった。遺伝子組み換え作物は世界的な反対の高まり、環境や健康被害の増大と共に大きな壁にぶつかりつつあり、遺伝子組み換え企業の将来にも黄色信号が灯り、大きな合併・買収で揺れ動いている。USDAの決定によって、このゲノム編集による遺伝子組み換えに一気に向かう可能性がある。 “ゲノム編集による遺伝子組み換え小麦の登場” の続きを読む