農民の種子の権利を奪う動きが世界化する中で、その動きに対して農民の種子の権利を守るための活動も世界化している。
ラテンアメリカ・カリブ海諸国16カ国の農民・先住民族組織の代表が農民の種子の権利を守るために、ブラジルに集まり、4月17日から20日まで協議を行った。FAOの食料・農業植物遺伝資源条約事務局や、ブラジルやエクアドルの政府代表者も参加している。
食料・農業植物遺伝資源条約の第9条には農家が持つ種子の権利が明記されている。しかし、農家の種子の権利は世界で脅かされている。多国籍企業の種子・農薬・化学肥料のセットが農家に押しつけられつつあり、農家の種子は奪われつつある。この現状に対して、各国でどのようにその権利が侵害されているかについて調査し、この第9条を各国の国内法で実現していくことで、農民の権利を守ることなどがこの会議によって提案された。
この会議は食料主権のための国際計画委員会(IPC)が各国の農民・先住民族組織と協力して開かれたもので、ラテンアメリカ・カリブ海地域だけでなく、7月にインドネシアでアジア地域の会議、マリでアフリカ地域の会議が開かれることになっている。
南(発展途上国)の農民だけの問題ではない。日本でも農家の種子の権利はますます奪われつつある。そしてそれを守る法律は日本には存在していない。こうした動きに日本からも連なっていく必要があるのではないか?
この会議を組織した食料主権のための国際計画委員会(IPC)がどんな組織か(市民組織)
The International Planning Committee for Food Sovereignty (IPC)