気候変動を解決する自然に基づくとする方法が持つ落とし穴

 植物は光合成によって作った炭水化物のかなりの部分を地中に放つ。植物によって放たれた炭水化物に土壌微生物が群がり、その土壌微生物は植物からの炭水化物をエネルギーとして繁殖していく。そして植物にミネラルや水分をその交換に渡していく。実に見事な共生の関係がここにある。大気中の二酸化炭素は土壌の中に蓄えられる。この機能は気候変動が激化する中、さまざまな方面から注目が集まっている。気候変動を止める炭素固定法の中で、もっとも安全でもっとも有効な方法であるとして。
 昨年、米国の超党派の議員が提案した気候変動解決法案(Growing Climate Solutions Act)は土壌に炭素を蓄える農家にお金を与えるというもので党派を超えた支持を集めている。しかし、この法案に環境団体や農民団体、特に土を生き返らせる環境再生農業(Regenerative Agriculture)を進める団体までもがこの法案に反対している。なぜなのか? “気候変動を解決する自然に基づくとする方法が持つ落とし穴” の続きを読む