遺伝子操作農薬・肥料・種子コーティングに注意!

 遺伝子操作微生物に要警戒。
 化学農薬・化学肥料に加えて、農薬企業は今、微生物農薬・微生物肥料に注力しており、すでに米国では使われ始めている。問題なのは天然の微生物を使っているのならともかく、それに「ゲノム編集」や遺伝子組み換え技術が使われて遺伝子操作微生物となっていることなのだ。
 日本でも三井化学が遺伝子組み換え微生物農薬の実験場を都内に開設する(1)。しかし、それを伝える新聞記事の見出しは「天然由来品」。忖度もここまで来たか? “遺伝子操作農薬・肥料・種子コーティングに注意!” の続きを読む

新たな遺伝子操作農業へ? 農業資材の遺伝子操作

  今や、農作物の成長を化学物質でコントロールする時代から微生物でコントロールする時代に移ろうとしている、と言えるのかもしれない。いや、それはずっと人類がやってきた有機農業じゃないか、と言えれば一番いいのだけど、話はかなり怖ろしいものになる。つまり、遺伝子操作した微生物でそれをやろうというのだから。
 
 植物と微生物の共生にこそ、大きな可能性がある。化学物質でそれを代替させる工業型農業こそが土壌の劣化、気候変動、農薬依存などをもたらしてきた。だからそこから脱皮し、微生物との共生をどう回復できるか、生物多様性の回復、生態系の回復は今後の人類の生存にも関わる大きな課題であるはずだ。
 
 もし、そうした回復に技術の焦点が行くのであれば望ましいこと、と言いたいのだが、実際に進みつつあるのは、微生物を遺伝子組み換え、「ゲノム編集」、さらには合成生物学によって操作したものを用いる農業に変えようとする動きである。 “新たな遺伝子操作農業へ? 農業資材の遺伝子操作” の続きを読む

微生物、病害、気候変動

 最近、講演で話しをする時に微生物の話しから始めることが多い。地球に生まれたこの微生物の果たしている役割を知ることで今、起きている問題をより理解できるし、その解決策も見えてくると思うからだ。
 微生物の力を借りて、植物もわれわれも生まれてきた。その力がなければ生き長らえることもできない。「共生symbiosis」という言葉は使い古されてしまったかもしれないが、根圏細菌Rhizobacteriaと菌根菌糸Mycorrhizal hyphae、そして植物の関係を知る時、あらためて生命が互いに支え合ってこの生態系を支えているか、そのダイナミズムに心を奪われてしまわざるをえない。 “微生物、病害、気候変動” の続きを読む