シンガポールで世界で初めて培養肉の販売が昨年12月に承認されて以来、培養肉に関する情報があふれている(1)。三菱商事も投資に積極的に動いている(2)。培養肉は家畜の幹細胞などを人工的に培養して作る肉のこと。
シンガポールの培養肉は鶏の羽の細胞をもとに作るという。これだと動物愛護の観点から家畜を殺さなくてもいいし、非衛生的な状態で尊厳のない超過密飼育で抗生物質漬けで作られる肉よりも安全で、しかも牛などが出す大量のメタンガスの発生も抑えられるので気候変動の見地からもいいんじゃないかと考える人が出てくる。でもちょっと待ってほしい。 “培養肉に待った!” の続きを読む
改正種苗法施行の前に
改正種苗法施行前に考えてみたい。今後の食がどう変えられようとしているか? まずハイテク企業の動きを注目する必要がある。ビル・ゲイツは「ゲノム編集」を含む遺伝子組み換え技術に莫大な投資を行い、種苗をOSになぞらえて、マイクロソフトがOS独占で巨大企業に成長したように、食を次のターゲットとしようとしている。モンサント(現バイエル)はビッグデータ企業を買収し、アマゾンが生鮮品まで手をかけ、富士通までもが海外で農業投資を本格化している。キーワードは技術による食のシステムの統合(=囲い込み)。巨大企業が食を種苗から流通まで把握しようとしている(1)。 “改正種苗法施行の前に” の続きを読む