シンガポールで世界で初めて培養肉の販売が昨年12月に承認されて以来、培養肉に関する情報があふれている(1)。三菱商事も投資に積極的に動いている(2)。培養肉は家畜の幹細胞などを人工的に培養して作る肉のこと。
シンガポールの培養肉は鶏の羽の細胞をもとに作るという。これだと動物愛護の観点から家畜を殺さなくてもいいし、非衛生的な状態で尊厳のない超過密飼育で抗生物質漬けで作られる肉よりも安全で、しかも牛などが出す大量のメタンガスの発生も抑えられるので気候変動の見地からもいいんじゃないかと考える人が出てくる。でもちょっと待ってほしい。 “培養肉に待った!” の続きを読む
改正種苗法施行の前に
改正種苗法施行前に考えてみたい。今後の食がどう変えられようとしているか? まずハイテク企業の動きを注目する必要がある。ビル・ゲイツは「ゲノム編集」を含む遺伝子組み換え技術に莫大な投資を行い、種苗をOSになぞらえて、マイクロソフトがOS独占で巨大企業に成長したように、食を次のターゲットとしようとしている。モンサント(現バイエル)はビッグデータ企業を買収し、アマゾンが生鮮品まで手をかけ、富士通までもが海外で農業投資を本格化している。キーワードは技術による食のシステムの統合(=囲い込み)。巨大企業が食を種苗から流通まで把握しようとしている(1)。 “改正種苗法施行の前に” の続きを読む
日本版グリーン・ニューディールで食と農を守れ
このコロナの混乱の中、日本政府がやらなければならない最優先課題は種苗法改正でも「ゲノム編集」の推進でもなく、ニューディール的な空前絶後の農家支援策だ。この5年間で農業人口は175万7000人から136万1000人と40万人近く激減している(1)。そして、今年のお米の生産は38道府県で減産計画を立てているという(2)。農家の平均年齢は66.8歳と言われる。このままではあと10年以内に日本の農業は壊滅的になる。 “日本版グリーン・ニューディールで食と農を守れ” の続きを読む
イタリアとインドでの多国籍アグリビジネスとの闘い
たまには朗報! 世界で新型コロナウイルスの問題で大騒動の中、とっても問題な動きが同時に進行しつつある。 “イタリアとインドでの多国籍アグリビジネスとの闘い” の続きを読む
鳥インフルエンザの脅威
鳥インフルエンザが北アイルランド、フランス、インドでも広がっているようで、とても心配です(1)。現在のところ、人にはめったにうつらない、というのだけど、うつった場合の致死率は新型コロナウイルスの20倍になるという話もある(2)。もっとも新型コロナウイルスが恐ろしいのは無症状で感染が広がるから止めることが難しいからであり、一方、エボラ出血熱は致死率が高すぎて、感染は大きくは広がらなかったということがあります。致死率が高いことと社会への危険度は必ずしも一致しないでしょう。しかし、鳥インフルエンザは野生の鳥で広がるとしたら、高い致死率と感染力で大きな惨事となりえる。ただし、今のところ、現在の鳥インフルエンザの人への感染は起きていない。だからこそ、早く抑え込み、発生を予防する必要があります。
公共財産守る力を束ね―食と農の転換を地方から
2021年はどんな年になるか、と聞かれれば、やはりこれまでにない変革のスタートの年になる、と応えたい。しかも、これまで長く続いた悪い連鎖を良い連鎖に変えるそのスタートの年に。
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鳥インフルエンザ、もう1つのパンデミックの解決策
新年早々、2020年最後に書いた続きから始める。
鳥インフルエンザも豚熱も近年になって急激に猛威を振るうようになってきた。その原因はわたしたちの毎日の食にある。わたしたちの食を変える時が来ている。遅すぎたということがないように。 “鳥インフルエンザ、もう1つのパンデミックの解決策” の続きを読む
鳥インフルエンザの脅威、何をすべきなのか?
新型コロナウイルス感染、東京は今日1300超。実態はさらにこの数を上回るだろう。医療の現場がどうなるのか。根本的な政策の過ち。医療の民営化、さらには病床削減、医療スタッフの減少など根本的に転換させなければ新型コロナウイルスの危機を克服できても次の感染症で潰れてしまう。政策をただす議論が不可欠。
新型コロナウイルスだけではない。鳥インフルエンザの急拡大が起きている。まだ日本では人間への感染はないと言われるが、H5N1やH7N9は人にも感染し、感染するときわめて重篤な状況になることが多い(1)。もし人から人に感染し始めたら新型コロナウイルスをはるかに超える甚大な被害が起きるという警告もある(2)。
この鳥インフルエンザについてもまったく誤った政策の連鎖が続いているのではないだろうか? “鳥インフルエンザの脅威、何をすべきなのか?” の続きを読む