今国会で大企業による食のシステム構築が大幅に進もうとしている

 日本の食のあり方ががらって変わろうとしているのはタネの関係だけではない。食のシステム全体が書き換えられようとしている。今国会には食糧法改正案も出される。そして、昨年成立した食料システム法が4月から施行される。どう変わろうとしているのか?
 一言で言うならば、食料流通を大企業に委ね、小規模流通業者を排除する、しかも、国家の介入する権限を強化するものになるだろう。 “今国会で大企業による食のシステム構築が大幅に進もうとしている” の続きを読む

石破政権の農政転換は本物? 危険なその方向

 石破政権はコメの価格高騰対策として、増産に向けた新たなコメ政策への転換を昨日の閣僚会議で決めたと報道されています。これまでの減反政策が変わるということで、重要な政策転換と見るむきもあるかもしれません。
 でも、これは本当にどんな転換になろうとしているのか、注意が必要です。これまでの自民党農政とは何であったか、というと、米国農産物の大量買い入れを前提とした食料生産抑制政策であり、その柱が減反政策であったと思います。減反政策が変わったとしても、米国農産物の大量買い入れは、トランプ関税交渉を見れば明白なようにむしろ強化されかねない状況です。この農政全体が変わるわけではないことがわかります。それでは石破政権は農業政策をどう変えようとしているのでしょうか? “石破政権の農政転換は本物? 危険なその方向” の続きを読む

米騒動とバイオテクノロジー

 危機とはおそろしい。人びとの思考能力を奪い、平常時ではありえないことが堂々と、あからさまに実行されてしまうから。
 米騒動を機に、お米とは縁もなかった巨大企業がお米を握ろうとしている。そして地域のお米屋さんは排除。急激な米価高騰で「巨大企業に任せた方が安く、誰もが買えるからいいんじゃないか」と警戒感が薄れてしまう。でも、小さな流通業が廃れて、大企業しか扱えなくなり、競合他社がなくなれば、もはや決定権は巨大企業が握る。私たちの食の決定権は名ばかりとなって、価格や何を売るか、決めるのは巨大企業の手に握られる。
 
 流通と同時に生産の現場はさらに危うい。実はモンサントは「とねのめぐみ」という品種をもって、日本の稲に参入を試みたことがある。「とねのめぐみ」は遺伝子組み換え品種ではない。「コシヒカリ」と「どんとこい」を交配させ、従来の品種改良で育成した品種。でも、彼らは日本の稲から撤退した。彼らを撤退させたのは水田だった。 “米騒動とバイオテクノロジー” の続きを読む

米騒動からモンサント型農業に日本は移行するのか?

 今、本当に食・農業が根本から変えられてしまう可能性がある。だから議論が必要。どんな食・農業・社会を望むのか、社会のあらゆるところから声を出していかないと、気が付いた時はもう変える余地がなくなってしまうかもしれないから。
 結論を先に言っておくと、巨大企業にさらにコントロールされた社会なのか、それとも市民が決定権をなお保持できる社会なのか、私たちはその分岐点にいると思う。
 とても対象的な2つのテレビ番組があった。一つはNHK EテレのETV特集「田んぼ x 未来 あきらめないコメ農家たち」と、もう一つはTBSの報道1930「生産は足りているのか コメ価格下がらない本当の理由は」。 “米騒動からモンサント型農業に日本は移行するのか?” の続きを読む

『命を守る食卓』(宝島社)をコンビニで!

 鈴木宣弘さん、安田節子さんといっしょに関わらせていただいた本『命を守る食卓』について、本当ならあれこれ書きたかったのだけど、6月出版直後にサーバーの問題でサーバーの再構築までする羽目になり、体調もこれまでにない厳しい状態に追い込まれて、何も書けないまま、時間だけが過ぎてしまいました。遅くなってしまいましたが、この本について書きたいと思います。 “『命を守る食卓』(宝島社)をコンビニで!” の続きを読む

食への権利:食の戦争体制が進む中で

 食料・農業・農村基本法改正案、そして食料供給困難事態対策法案の最大の問題点はここまで日本の食・農をダメにしてきた政策を変えずに「これまでのビジネスをそのままやらせろ」というのが基本になっていて、そんなことをすれば確実にやってくる食料危機に強権使って対応するというセットになってしまっていることだ。
 今、気候危機、生物絶滅危機などの多重危機の進行は予想を超えて進んでおり、このままでは世界全体で危機的な事態に陥る。その中でもっとも脆弱な部類の日本はさらに厳しい状況に追い込まれるから、もっとも機敏に対応しなければならないのだけれども、現在の政権の下ではそれは期待できない。官僚がマイクのスイッチを一度切ってしまったら、オンに戻させることすらできない大臣が構成する政権では無理だろう。 “食への権利:食の戦争体制が進む中で” の続きを読む

食料・農業・農村基本法改正案は飢餓輸出を招く

 食・農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法改正案が昨日衆議院通過。なぜ、農業が限界状況迎えているのに、政府は抜本的な手を打たないか、要するに日本という国が米国へのコバンザメ国家で、米系多国籍企業へのコバンザメ企業が政治を仕切っているから。 “食料・農業・農村基本法改正案は飢餓輸出を招く” の続きを読む

COP28は最初の食のCOPに!? 食を変えるこそ気候危機対策の柱

 気候危機に対処するためのCOP28(国連気候変動枠組条約第28 回締約国会議)が予定された会期の終わりに近づいている。気候危機というと化石燃料をどうするか、ということが大きな焦点だ。石油や石炭消費をどう止めるか、これが重要であることは疑いない。けれども、近年のCOP会議で焦点の1つになり始めているのが食・農業である。なぜかというと食のシステムは温暖化効果ガスの3分の1を直接排出、間接に排出しているものも含めるとほぼ半分を占めるとも言われる。つまり気候危機を解決するには食を変えなければならない。
 またたとえ排出を減らしたとしてもすでに大気は温暖化効果ガスで満ちており、気候危機は止まらない。大気中に放出された温暖化効果ガスは地球の気候を不安定にし続けるからだ。しかし、世界大で生態系を守る農業に転換することで地球上の最大の炭素の保存庫である土の力を取り戻し、炭素を蓄積する力を回復させることで、食は気候危機を緩和させていくこともできる。だからこそ、食の問題は気候危機対策の中心に躍り出ざるをえないのだ。 “COP28は最初の食のCOPに!? 食を変えるこそ気候危機対策の柱” の続きを読む