公共財産守る力を束ね―食と農の転換を地方から

 2021年はどんな年になるか、と聞かれれば、やはりこれまでにない変革のスタートの年になる、と応えたい。しかも、これまで長く続いた悪い連鎖を良い連鎖に変えるそのスタートの年に。

https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19679

 それは地方・地域を拠点とした公共財産としての食を取り戻すことから始まるだろう。すぐに地域と地域が国境を越えてつながっていく必要も出てくるに違いない。言葉はどうする? そんな心配ない。航空券も買えない? それも不要。同じ問題に苦しみ、同じ課題を担う人たちがいることを知ることができれば、それで十分。今はつながることができるさまざまな方法が揃っているのだから。昨年の苦しみも今年のこのスタートの準備のためだったのではとさえ思えてくる。

 でもそう順調に行くことは期待しない方がいい。なにせ、行く手を阻む勢力は何十年も前からマスタープランを作って着々と手を打っているのだから。よくもまぁ次から次へと考えつくものだ。種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改定、さらに今後は農産物検査法改正か…。海外でも類似したことが進んでいる。
 英国で囲い込み運動が産業革命を準備したように、バイオテクノロジーで食を支配しようとする現代のアグリビジネスは知的財産権によって種苗を囲い込み、さらに流通機構の統合を通じて産地を囲い込み、タネから食卓まで食を包括的に握ろうとしている。一方、市民の側は徹底して分断されたまま。でも、今、そのばらばらにされた点と点が結びつき始めている。それがしっかり結びつけば大きな変化が作り出せるはず。地域を変えよう!

長周新聞
「公共財産守る力を束ね――食と農の転換を地方から」
印鑰 智哉(肩書きちょっと前のものになってしまいましたが)
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19679

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA