乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄

 米価高騰、米不足問題を解消する魔法の杖のように現在熱狂的に宣伝されている節水型乾田直播。推進する人たちはもはや世界ではこの栽培方法は当たり前と言っています。確かに北米や南米はもともと水田は少ないので、乾田直播は多いことは事実です。そして、その省力さを利点として、東南アジアや南アジアでも乾田直播を導入する動きが近年進んでいます。
 それでは日本も節水型乾田直播を推進すべき、と即断する前に、海外でこの栽培方法で何が起きているのかを確認することが何より重要だろうと思います。 “乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄” の続きを読む

節水型乾田直播が引き起こす大問題

 米価の高騰が続く。この高騰をあたかもすぐに解決できるかのような栽培方法を今、マスコミが褒めそやし、政府が推進に躍起になっている。それが節水型乾田直播だ。でも、これを日本で大規模に拡大すれば、どんなことが起きるか、十分な検証をしているとは思えない。実際に節水型乾田直播は米国、南米ではかなり前から、そして近年は東南アジアや南アジアで始められている。その現実を検証すれば、日本で水田ができないところはともかく、水田を大規模に潰してまで進めるべきものではないことがはっきりする。 “節水型乾田直播が引き起こす大問題” の続きを読む

米騒動とバイオテクノロジー

 危機とはおそろしい。人びとの思考能力を奪い、平常時ではありえないことが堂々と、あからさまに実行されてしまうから。
 米騒動を機に、お米とは縁もなかった巨大企業がお米を握ろうとしている。そして地域のお米屋さんは排除。急激な米価高騰で「巨大企業に任せた方が安く、誰もが買えるからいいんじゃないか」と警戒感が薄れてしまう。でも、小さな流通業が廃れて、大企業しか扱えなくなり、競合他社がなくなれば、もはや決定権は巨大企業が握る。私たちの食の決定権は名ばかりとなって、価格や何を売るか、決めるのは巨大企業の手に握られる。
 
 流通と同時に生産の現場はさらに危うい。実はモンサントは「とねのめぐみ」という品種をもって、日本の稲に参入を試みたことがある。「とねのめぐみ」は遺伝子組み換え品種ではない。「コシヒカリ」と「どんとこい」を交配させ、従来の品種改良で育成した品種。でも、彼らは日本の稲から撤退した。彼らを撤退させたのは水田だった。 “米騒動とバイオテクノロジー” の続きを読む

米騒動からモンサント型農業に日本は移行するのか?

 今、本当に食・農業が根本から変えられてしまう可能性がある。だから議論が必要。どんな食・農業・社会を望むのか、社会のあらゆるところから声を出していかないと、気が付いた時はもう変える余地がなくなってしまうかもしれないから。
 結論を先に言っておくと、巨大企業にさらにコントロールされた社会なのか、それとも市民が決定権をなお保持できる社会なのか、私たちはその分岐点にいると思う。
 とても対象的な2つのテレビ番組があった。一つはNHK EテレのETV特集「田んぼ x 未来 あきらめないコメ農家たち」と、もう一つはTBSの報道1930「生産は足りているのか コメ価格下がらない本当の理由は」。 “米騒動からモンサント型農業に日本は移行するのか?” の続きを読む