タネの法律は今、世界でほぼ同時に書き換えられようとしている。マレーシアでは今日、政府による種苗法改正やタネの権利を奪う国際条約UPOV1991への加盟に反対するデモが行われるが、インドネシアでも状況は似ていて、来週には2日間の国際会議が開催される予定で、それに私も招かれており、参加を予定している。 “インドでも種子の独占に反対する大きな動き” の続きを読む
タネをめぐる国際民衆法廷、国連も種子の権利に関するパブコメ
タネとは人権
人類は植物からタネを採り、毒のある植物すら食べられる食物に変え、文化を形成してきました。気が遠くなるような世代の、数え切れないような人びとの共同作業の成果としてタネは存在しています。タネは人が生きていく上で不可欠なものであり、タネへの権利は基本的人権の基盤となります。
でも、特に1990年代、遺伝子操作技術の適用が本格化して以降、タネは独占と支配の道具となり始めました。タネが独占されることで、それまでの農業ができなくなり、隷従を余儀なくされる人の数が世界で増えています。 “タネをめぐる国際民衆法廷、国連も種子の権利に関するパブコメ” の続きを読む
日本政府の種苗法改正になぜアジアから抗議の声?
種苗法改正について連続して書いていますが、今回の法改正で出てくるのが「戦略的海外ライセンス」というもの。他の国では禁止だけど、特定の国・地域には日本からの輸出時期には市場に出荷しない、日本には出荷しないという条件を元に栽培を許可するというものです。南半球ならば日本と季節が逆なので、日本で収穫できない時に収穫されるので、競合せず、スーパーの棚が年中確保できて、日本産の農産物の輸出が拡大できるという発想です。山梨県知事と小泉前農相との間でシャインマスカットのニュージーランドへのライセンスで騒動になりましたが、あれはこの戦略的海外ライセンスに向けた動きの一つだったと言えるでしょう。 “日本政府の種苗法改正になぜアジアから抗議の声?” の続きを読む
種苗法再改正がめざす新たな食料システムとは?
今後の国会で種苗法再改正が予定されています。
前の投稿でも書きましたが、今回は別の角度から問題を指摘します。今回の大きな改正では、種苗法がもはや「種苗」に関する法律に留まらなくなり、生産ー流通までを含んだ「ビジネスモデル」を知的財産として守る法律に変わろうとしています。
この法改正によって何が変えられようとしているのか、その特徴をまとめてみました。 “種苗法再改正がめざす新たな食料システムとは?” の続きを読む
種苗法再改正、食糧法改正、さらには革新的新品種開発に関する法案の問題点
いきなり通常国会で冒頭解散するという理不尽なことが起きようとしていますが、審議時間が短くなり、十分な審議もないまま予算が成立してしまい、また問題ある法案も満足な審議もされずに通されてしまう可能性があります。
日本の今後の食・農業のあり方を大きく変えてしまう法案がいくつも出ようとしています。たとえば種苗法再改正、食糧法改正、さらにまだ正式名称がわかりませんが、革新的新品種開発のための新法案があります。 “種苗法再改正、食糧法改正、さらには革新的新品種開発に関する法案の問題点” の続きを読む
節水型乾田直播にまつわる問題
節水型乾田直播を試みてみたいという農家の方が少なくありません。マスコミが問題も伝えずに、ここまで煽るから仕方ないところもあるのだろうと思います。そこで、農家にとってどんな問題があるのか、ということに絞ってまとめてみました。 “節水型乾田直播にまつわる問題” の続きを読む
乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄
米価高騰、米不足問題を解消する魔法の杖のように現在熱狂的に宣伝されている節水型乾田直播。推進する人たちはもはや世界ではこの栽培方法は当たり前と言っています。確かに北米や南米はもともと水田は少ないので、乾田直播は多いことは事実です。そして、その省力さを利点として、東南アジアや南アジアでも乾田直播を導入する動きが近年進んでいます。
それでは日本も節水型乾田直播を推進すべき、と即断する前に、海外でこの栽培方法で何が起きているのかを確認することが何より重要だろうと思います。 “乾田直播は世界の常識? それは遺伝子操作の蟻地獄” の続きを読む
「ゲノム編集」が引き起こすもう一つの問題、「クロマチン疲労」
1950年代にDNAの二重鎖構造が発見されて、遺伝子の実態がわかった時、人類は熱狂した。生命の秘密がわかったと思ったからだ。生命の基盤となる遺伝子はあたかもロボットの部品のように受け止められ、その部品を組み合わせれば生命が作れると考えて、遺伝子工学が誕生した。
しかし、実際の遺伝子はもっと精妙なものだった。ロボットの部品とは違って、他の遺伝子やノンコーディングDNAと有機的なネットワークを形成していることが最近の研究によって明らかになったからだ。そのネットワークの力で生命は環境の変化にも対応することができる。だからその一部だけ変えてしまえば、その影響はネットワーク全体に及んでしまう。でも、遺伝子工学は未だに70年前の幻想に執着し、遺伝子の改変による新品種の開発をやめようとしない。自然の進化に逆らい、遺伝子を改変し続ければ、改良どころか、生命の再生産、生態系にダメージを与えることは避けられないだろう。
「ゲノム編集」企業にとっては困った知見が次から次へと明らかになってきているが、また新たな問題が発覚した。遺伝子レベルで想定通り、「ゲノム編集」できたとしても、その遺伝子は想定外の動きになってしまう、というのだ。その原因は「クロマチン疲労」と名付けられたものにある。 “「ゲノム編集」が引き起こすもう一つの問題、「クロマチン疲労」” の続きを読む
