ブラジルで緊急ベーシックインカム。転機を迎える世界

 少し前にブラジルのボルソナロ大統領が演説。
 これまで貧困層への支援や公共医療への削減ばかりを狙っていた大統領。ウイルス感染に対する閉鎖・外出規制を指示する州知事を非難して、ブラジル市民をさらに危険に曝してきた大統領。市民は毎日のように彼に対して抗議活動を繰り返してきた。それが突然、ころっと変わって、「私は就任以来、ずっと人びとの支援のためにやってきた」とばかりに、感染対策医療を充実させ、ボルサ・ファミリア(貧困層の家族支援計画)や今回の緊急ベーシックインカム(*)などを行うと堂々と演説。
 これが市民運動の力なのだよ。市民運動が主張してきたものを真っ向から否定してきた大統領が、市民運動の言っていることがあたかも自分が考えてきたことだとばかりに、ころっと変わる。そうしないともう弾劾されかねないほどの圧力を感じたのだろうと思う。ずるい、と思うけれども、ブラジルも転機を迎えたのは確かだ。もちろん、よく聞けば怪しいところはいろいろあるし、今後も紆余曲折あると思うけれども、いい流れだと思う。

 「こんなこと言ったって、あの〇〇が受け入れるはずはない」なんて自粛忖度はするものじゃない。本当に言うべきことを言って、その言葉が拡がっていくと、どんな権力者であっても折れざるをえない。

 だから日本でも言うべきだ。あの米国が、ブラジルが変わりつつある。日本だけ変わらないなんてありえない。
 金を出すのはいつ実現できるかわからないオリンピックではない。この今の危機に金を出せ!
 病院や病床を減らすのではなくて、充実させろ!
 緊急事態宣言の前に医療施設の大幅拡大と生活保障が先だろ!
 この危機の中で、辺野古米軍新基地や南西諸島に自衛隊基地を作っているんじゃないよ。そのお金を医療に使え! 減らすのは軍備だろ!
 こんな危機で多くの人が議論に参加できない中、種苗法を勝手に変えるな! 憲法変えるのも論外!
 原発加害の責任もしっかり取れ! 被害者を切り捨てるな!
(まだいっぱいある…)


* 制限付きなので厳密な意味でのベーシックインカムとはなっておらず、彼もこの言葉は使っていない。

ボルソナロ大統領演説

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