Rio+20:ブラジルの環境問題と日本

UNDB市民ネットセミナー「地域の声をリオへつなぐ」 2012年5月26日13時30分〜16時30分 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)で話をさせていただいた。

生物多様性問題、環境問題に関わる日本の多くの人たちがリオデジャネイロで6月に開かれるRio+20に参加する。

この機会は2つの意味で重要だと個人的に思っている。

1つは福島東電原発事故と闘う人びとの声を直接、世界の人びとに伝えること
そして、もう1つは南米で進むジェノサイド・エコサイドの実態を日本からの人びとが目で耳で知ること。

福島、そして各地にある深刻な放射能汚染、その中で苦闘する人びとのことをインターネットを通じて伝えることの困難さ、直接、苦闘されている方々の言葉を届けることができればどれほど大きな力になるだろうか?

同時に、ブラジルを中心とした南米の状況を整理する中で、特に都市から遠く離れた地域で起きているジェノサイドの問題をあらためて考えざるをえなかった。遺伝子組み換え、ダム、鉱山開発、ユーカリ植林など、その深刻さには時に言葉を失う。

そして、いくら僕が言葉を駆使しても伝わらないものがある。直接、被害者の口から語られる言葉を聞くことの意義ははかりしれないほど大きい。ブラジルで起きているこれらの破壊すべてにおいて、悲しいことにも日本は深く関わっている。そして南米の遺伝子組み換え汚染は日本やアジアにも押し寄せる可能性が高い。

福島を中心とした放射能汚染と南米での遺伝子組み換え汚染(遺伝子組み換えの汚染+農薬汚染)は僕には1つの表裏のことに思えてならない。

この二つの経験を交わし合うことには歴史的意義があると思う。もちろん、単に経験を交わし合うにとどめずに、今後、この世界の動きを反転させ、変えていくための地球大の連携を作り出していくこと、それができるのはRio+20のピープルズ・サミット以外には見出しにくいだろう。

この機会にA SEED JAPANの人びとのご好意でその一団に混ぜていただけることになった。機会を最大限に生かせるようにできる限りのことをしたいと思う。

ベロモンチダムのビデオ紹介 & Xingu+23

ブラジルのベロモンチダムにより大きな影響を受ける先住民族が他の遠くの地域の先住民族と共にダム建設と闘う決意を語るビデオ。マトグロッソ州ピアルスで300人、18の­異なる民族を代表する先住民族が集まり、ベロモンチダムが先住民族に対して与える影響を語り合い、決意を固める。

オリジナルは”Belo Monte – Piaruçu”
すでにダムの建設は2011年に始まり、川は濁り、人びとは大きな影響を受けている。現地で何が起きているか、上のビデオをぜひ見てほしい。映像も音楽も美しいビデオなので、そのまま再生させるのではなく、歯車のアイコンをクリックして、解像度を720p HDを選択し、さらに全画面で見てほしい。

ベロモンチダムに影響を受けるシングー川周辺先住民族や住民はRio+20が開かれている同じ時期、ダム建設地に近いアルタミラに集まり、Xingu+23という集まりを持つ。+23とは1989年にベロモンチダムの建設を止めた年から23年ということを意味する。

すでにサイトも立ち上がっていて、寄付も受け付けている。Xingu+23
資金的にも厳しい中行われるこの会議、なんとか支援したいところだが、日本からは直接寄付が難しいようだ。

支援するいい方法がないものか模索中。

いんやく りお『自分をえらんで生まれてきたよ』

自分をえらんで生まれてきたよ(表紙)息子の詩集が今日出版されることになった。

心臓と肺に障がいを持って生まれた息子、連れ合いの実家が集中治療室と化して、果てしない闘病生活、言葉の遅かった息子が話し始めた言葉は私たちの看護のつらさを癒してくれたが、産科医の先生を通じて他の親にも広がり、本として出版されることに。

ぼくは、病気を選んで、生まれてきた。希望をもって、生まれてきた。心を感じることで、勇気が出る。それがつまり、希望のことなんだ。

心は、神さまのかけらで、体は、地球のかけらだよ

すごい秘密に、気づいたよ。時間があるから、ものはある。時間があるから、光はある。ものは、ぜんぶ、時間でできている

神さまがくれたものは、たくさんある。
まず、心。気持ち。いのち。体。
それから、考える、頭。
ぼくは、神さまからのプレゼントなんだ。
だから、自分をたいせつにする。
自分をたいせつにすると、
地球へのおみやげに、なるんだよ。..

いんやく りお『自分をえらんで生まれてきたよ』 (サンマーク出版)立ち読みできます。

この本は震災の前に出版されるはずだった。大幅に遅れて、今になってしまった。

今回の詩集には載せていないが、原発事故が起きる一週間前から、息子は不思議なことを言っていた。一昨日は、「原発というよりウラン。地面の下で植物や石と静かに話していたのに、無理に引っ張ってきたから、怒って熱くなるのはあたりまえだ。謝らないとね。そして、食の安全とか命の大切さとか、教えてくれてありがとう、って拝むんだ」と言っていた。