「ゲノム編集」トマトの問題点

 とうとう「ゲノム編集」されたトマトが厚労省と農水省に届け出された(1)。開発した筑波大学の研究者であり、その研究からできた「ゲノム編集」トマトの品種を売るサナテックシード株式会社取締役である江面浩氏によると、届け出後、試験栽培した種子を農家に渡し、すぐに商業栽培が始まるという。ただ、まだ種子の増殖段階なので、トマトの出荷はもう少しかかるとのこと。
 まず第1に押さえておきたいのは、これはアドバルーンではないかということ。つまり本格栽培される「ゲノム編集」作物の本命はこれを親にして作られる後代交配種ではないかということ。そしてこのトマトは「健康にいいGABAを含む消費者にとっていい技術なんだ」ということを刷り込むために打ち上げられた広告塔に使われるのではないだろうか? “「ゲノム編集」トマトの問題点” の続きを読む

稲葉光國さんのビジョン

 民間稲作研究所の稲葉光國さんが今朝早く亡くなった。その報せに呆然として何も手に付けることができなくなった。
 稲葉さんがいなければ全国の学校給食を有機にするなんていうのは夢の夢だっただろう。いすみ市の学校給食のお米がすべて有機米にあんなに早くできたのも稲葉さんの技術指導なしには考えられなかった。稲葉さんの話を伺うと、日本の食を自給し、しかも有機にすることが夢物語ではなくなると思えてくる。日本のあちこちから、うちでもやりたい、という声が出てきていた。有機転換したい農家とそれを応援する消費者、地方行政が組むことで効果的な取り組みができそうだ、この動きを日本各地で、と胸は躍った。 “稲葉光國さんのビジョン” の続きを読む