今や、農作物の成長を化学物質でコントロールする時代から微生物でコントロールする時代に移ろうとしている、と言えるのかもしれない。いや、それはずっと人類がやってきた有機農業じゃないか、と言えれば一番いいのだけど、話はかなり怖ろしいものになる。つまり、遺伝子操作した微生物でそれをやろうというのだから。
植物と微生物の共生にこそ、大きな可能性がある。化学物質でそれを代替させる工業型農業こそが土壌の劣化、気候変動、農薬依存などをもたらしてきた。だからそこから脱皮し、微生物との共生をどう回復できるか、生物多様性の回復、生態系の回復は今後の人類の生存にも関わる大きな課題であるはずだ。
もし、そうした回復に技術の焦点が行くのであれば望ましいこと、と言いたいのだが、実際に進みつつあるのは、微生物を遺伝子組み換え、「ゲノム編集」、さらには合成生物学によって操作したものを用いる農業に変えようとする動きである。 “新たな遺伝子操作農業へ? 農業資材の遺伝子操作” の続きを読む