食料・農業・農村基本法見直しについて

 食料・農業・農村基本法改正に向けた農水省との意見交換会が3月29日に開かれた。農業消滅や食料危機が現実性を帯びている今、日本での食のあり方を大きく変えることは不可欠のことだろう。では、農水省の見直しの内容はどう評価できるだろうか?
 
 残念ながら、根本的に見直しの内容を見直さなければ現在の危機的な流れを変えることはできないと言わざるを得ない。 “食料・農業・農村基本法見直しについて” の続きを読む

英国で「ゲノム編集」生物に関する法律が成立

 3月23日、英国で「ゲノム編集」生物生産・流通を可能にする遺伝子工学法(精密育種法)が成立した。米国や日本とは違い、英国では法律が作られた(日本では省庁内の検討だけで進められた)という違いがあるものの、英国でも表示をせずに「ゲノム編集」食品を流通させることが可能になるが、前途は険しいだろう。 “英国で「ゲノム編集」生物に関する法律が成立” の続きを読む

トイレットペーパーからPFASが。下水汚泥の肥料化に規制を

 トイレットペーパーから永遠の化学物質と言われるPFASが検出。米国で17ブランドのトイレットペーパーで検査したところ、そのうち4つから微量のPFASが検出された。PFASは包装紙などに水を弾かせるために意図的に混入されるが、トイレットペーパーの検出量は微量であるため、意図せずに製造過程の中で混入してしまったと考えられるとのこと(1)。
 
 米軍基地の消火剤などの流出からきわめて危険な濃度のPFASが水道水に混入しており、日本各地の米軍基地周辺で大きな問題になっている。健康被害・環境被害という点では、これが最大の焦点になるが、今後、このPFAS汚染問題が日本全国に広がりかねない。というのも下水汚泥を肥料に使う動きが農水省・国交省の施策で急激に全国で動き出しているからだ。 “トイレットペーパーからPFASが。下水汚泥の肥料化に規制を” の続きを読む

コオロギ食・工業的昆虫食推進にノー

 コオロギ食をめぐってSNSが騒がしい。イナゴなどの伝統的昆虫食と違う問題がそこにある。岸田首相が予算委員会で推進宣言したフードテックだが、その推進ビジョンのロードマップによるとすでに昨年にコオロギの生産ガイドラインは完成していて、今後、他の昆虫のガイドラインが作られていくことになっている。
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フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声

 年末年始にかけて行われたフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメントの結果が公表された。フードテックというのは曖昧な言葉だが、その中身は細胞培養肉などの細胞性食品、「ゲノム編集」技術、昆虫食、代替肉、さらには食品管理技術などが含まれる。
 しかし、そもそも「ゲノム編集」技術を使った食品は国会での議論もなく、省庁内の検討会だけでゴーサインになってしまった。そして、細胞性食品も、そこにどんな技術が使われ、どんな問題が起きるか、十分な検討はなされていない。
 にも関わらず、農水省が推進を決めたことには強い違和感を感じる。そして、実際、寄せられたコメントのほとんどは推進反対で埋め尽くされた。
 ところが農水省はこのパブコメをこの言葉で締めくくる。
「御意見をお寄せいただきました皆様方に深く御礼申し上げるとともに、今後ともフードテックの推進に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
 
 推進するな、という圧倒的な声に対して、まったく馬耳東風そのもの。ほとんどパブリックコメントをやる意義を理解していないとしかいいようがない。 “フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声” の続きを読む