半世紀前のカドミウム対策のアップデートを

 反公害運動は1970年の公害国会で多大な犠牲の上に世界に先駆けて汚染企業の責任原則を法制化するという金字塔を打ち立てた。しかし、その後の政治はそれを形骸化させた。新たな汚染が進もうとする今、この意義を再確認する必要がある。 “半世紀前のカドミウム対策のアップデートを” の続きを読む

カドミウム汚染への対抗策:在来種Pokkaliの可能性

 インドのケララ州ではカドミウムを稲の実には吸いにくいポッカリ(Pokkali)という在来種の稲があることを知って、関心はあったのだけど、バンダナ・シバさんからこの稲が実はインドの中でももっとも歴史の長い有機栽培の伝統を維持していることを知り、さらに関心がわいた。
 このポッカリは3000年前から栽培されていたことがわかっているという。なぜ、有機生産を続けられてきたかというと、エビの養殖との組み合わせで化学肥料を入れずに肥沃さが保たれるということと、その組み合わせゆえ、同じ面積の田んぼからあがる収益も倍になるかららしい。その有機農法はポッカリ・システムと呼ばれている。 “カドミウム汚染への対抗策:在来種Pokkaliの可能性” の続きを読む

PFAS汚染された農地をどうする?

 誰もが生きるなら汚染のない世界で生きたい。でも、今の世界は汚染が進み、人のいない極地地域でも汚染は発見される。この汚染された世界でどう生きたらいいのか。世界の命をこの汚染からどう守ればいいのか、汚染を減らすにはどうすればいいのか?
 
 言うまでもなく、まず汚染の進行を止めること。汚染物質を禁止し、汚染させた企業、軍などの組織に責任を取らせること。
 でも汚染されてしまった農地はどうするのか。放射性物質、カドミウムやヒ素などの重金属、ラウンドアップ(グリホサート)などの農薬、さらにはPFASなどによって汚染されている農地がある。まったく汚染されていない農地はないだろう。大なり小なり、この汚染された農地からどう安全な食を確保するのか、考えなければならない時代に入っている。 “PFAS汚染された農地をどうする?” の続きを読む

米国では下水汚泥肥料が訴訟に!

 ついに米国では下水汚泥肥料はPFAS汚染で訴訟や犯罪捜査対象に。下水汚泥肥料を奨励している農水省や国交省もそのキャンペーンをやめ、規制に乗り出す必要がある。
 
 下水汚泥肥料を認めている環境保護庁(EPA)に対して訴訟が起こされた⁽¹⁾。訴えたのは環境責任を求める公務員(Public Employees for Environmental Responsibility, PEER)という団体と農家で、EPAが下水汚泥肥料の中の永遠の化学物質と言われるPFASの規制を怠ったとしている。
 実際、米国では800万ヘクタールの農地がすでにPFASに汚染されていると言われ、メイン州では下水汚泥を肥料に使うことをすでに禁止している。そして、テキサス州ではPFASに汚染された下水汚泥肥料を販売していた肥料会社Synagro社に対する犯罪捜査が開始されている。 “米国では下水汚泥肥料が訴訟に!” の続きを読む