タネの危機と解決策としてのタネ:世界で広がるタネの運動

4月26日は国際種子デー(International Seeds Day)で、世界中でさまざまな動きがあった。記念日ということを超えて、この動きは近年急速に大きくなっている。タネが危機であること、そして同時に世界で進む多重危機の解決策もまたタネから始まるからだ。 “タネの危機と解決策としてのタネ:世界で広がるタネの運動” の続きを読む

フィリピン控訴裁判所:遺伝子組み換えのゴールデンライスとBtナスの差し止め判決

朗報:フィリピン控訴裁判所は4月19日、遺伝子組み換えのお米であるゴールデンライスと遺伝子組み換えナス(Btナス)の栽培と流通の差し止めを命じた下級審の判決を支持し、安全性が確認できるまで、ゴールデンライス、Btナスに関わる宣伝含めた一切の活動停止を命じた¹。とても重要な判決。 “フィリピン控訴裁判所:遺伝子組み換えのゴールデンライスとBtナスの差し止め判決” の続きを読む

モンサント・バイエル・住友化学時代の終わり

 圧倒的な力のある勢力によってすさまじい勢いで社会が変わり、それにはもう、なすべき手はないように思えてしまうことがある。でも、現実から目を遠ざけてしまえば、その無敵であるかのような勢力は実は大きな問題を抱え、没落の恐怖に慄いていること、そして、実に醜い手を打って、その没落のシナリオから逃れることを許してしまう。希望は現実の中にある。それを見逃してはならない。
 たとえばモンサント・バイエル・住友化学がまさにその典型だ。世界でもっとも売れたモンサントの農薬ラウンドアップ(有効成分グリホサート)は、その有害性ゆえ、次々と禁止・規制の動きが世界で起きる。でもその動きを米国政府が圧力をかけて撤回させる。
 しかし、いくら圧力をかけても、ラウンドアップの現状は厳しい。耐性雑草が増えて、効力を失う。さらには多くの人に健康被害が出た。その動きに鈍感なバイエルがモンサントを買収したが、その結果、モンサントが抱えていた構造的な債務を引き受けることになる。ラウンドアップ訴訟で16万7000件もの訴訟が起こされ、バイエルはすでに多額の賠償金の支払いを余儀なくされたばかりか、今なお5万件を超す訴訟に直面している。バイエルの株価は7割下落し、リストラを余儀なくされている。 “モンサント・バイエル・住友化学時代の終わり” の続きを読む