自然を遺伝子操作? 環境保護を口実としたバイオテクノロジー推進

 生態系の危機の進行が加速している。100万種を超える生物が絶滅に向かっているとも指摘され、すでに50年間に73%の野生生物は減少している。この危機を遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーで解決できると言う科学者がいたら、どう思うだろうか? 特に焦点となっている技術は合成生物学と遺伝子ドライブだ。遺伝子ドライブは有性生殖の仕組みを乗っ取って、特定の種を絶滅させることができる技術。Mad Scienceという称号がもっとも似つかわしいと思う。人間の知り得る遺伝のメカニズムは今なお限られており、未熟な技術で自然を操作すれば、収拾不能になるのは目に見えている。でも、この技術を国連が採用して自然保護と称して自然の遺伝子操作を始めたらどうだろう?
 
 実はそのプロセスは進みつつある。というのも自然保護の領域で大きな力を持つ団体、国際自然保護連合(IUCN)の中にバイオテクノロジー推進者が入り込んで、10年以上前から、合成生物学や遺伝子ドライブの技術を自然保護の領域で使うという方針を確立しようとしていることがわかっているのだ。 “自然を遺伝子操作? 環境保護を口実としたバイオテクノロジー推進” の続きを読む