ラウンドアップ(グリホサート)をなんらかしら規制、あるいは禁止を試みている国の数は42に及ぶ。最初はスリランカとエルサルバドルだった。農業労働者にCKDu(慢性腎不全)で命を落とす人が万単位となり、その主因として分析されたのがグリホサートだった。しかし米国政府の圧力によって、スリランカは一部緩和、エルサルバドルは議会が決めたのに禁止を実行できていない。
今、現在、完全に禁止している国はルクセンブルク。今年1月1日から完全禁止。タイやオーストリアも完全禁止を決めたが、まだ実行できていない。ベルギーは個人向けには禁止。すでに流通大手でも販売を取りやめたところはいくつも出ている(1)。 “ラウンドアップ/グリホサートの規制と代替方法” の続きを読む
モンサントとリン鉱山汚染
ラウンドアップ(グリホサート)の有害性についてはずいぶん勉強してきたつもりだったけど、まだまだある。今日、初めて、理解したこと。その前にまず、復習。植物や腸内細菌が持つアミノ酸を作る経路(シキミ酸経路)を損なう。これが大きな問題。さらにキレート効果を持っており、ミネラル分を剥ぎ落とす。ミネラル不足の原因を作る。そして、体内に入ると神経毒として機能する。ガン化のチェック機構を狂わせ、ガン化を防げなくしてしまう、精子の生育を妨げる…。
でもそれだけじゃなかった。グリホサートの化学式を見るとPがある。これはリン。グリホサートをどうやって作るためにはリン鉱山からリンを持ってこないといけない。ところがこのリン鉱山は多くの場合、ウランやラドンなどの放射性物質、ヒ素と混在している。つまり、ラウンドアップを作るために、地下に眠らせて置いてほしい有害な重金属がいっしょに引き出される。原発を作るためのウラン鉱山が実はこのリン鉱山も兼ねていることは多い。
だからラウンドアップは製品になって、それから環境を汚染するだけではなくて、製品作る前の原料を集める段階から環境を汚染してしまう。 “モンサントとリン鉱山汚染” の続きを読む
クローズアップ現代の報道の意義:日本の現実を見つめよう
クローズアップ現代「世界でどう闘う?農産物のJAPANブランド」はとても画期的だったと思う。その理由第1。「モンサント文書」。実際に報道されたのは米国のラウンドアップ裁判でのモンサント社の社内文書(1)。モンサントは自社の研究でラウンドアップの人体への危険性は実際につかんでいながら知らせなかった。これがモンサントの敗訴の決定的な理由となっている。もっとも、番組の時間の多くを使っていたのはバイエル社による弁明で、衝撃は大いに弱められているが、実際に白血病になって訴訟を起こした人のインタビューやドウェイン・ジョンソン氏の裁判の映像含めて、流れたことは意義が大きい。 “クローズアップ現代の報道の意義:日本の現実を見つめよう” の続きを読む
遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年
ここ10年、世界の動きはより激しくなり、洪水のようにますます膨大な情報が流れてくる。良いことも悪いこともある。
その中で悪いニュースからちょっと。遺伝子組み換え農薬とも呼ぶべき遺伝子に作用する農薬を米国環境保護局が承認する可能性がある。従来の農薬は化学成分が植物のアミノ酸合成を妨げたり、毒素タンパクで害虫の腸に穴を開けたりさせたりするものだったが、これは虫の遺伝子に作用して虫を殺す。どこかの実験室で遺伝子組み換えをするのではなく、自然環境の中でそれを起こすというもの。
いいニュースは農業のあり方を変えて、生態系を適切に3割回復させることができれば7割の生物の絶滅を回避できるというもの。このままではあと30年で100万種の生物が絶滅すると予想されている。このシナリオを変えることは可能だということ。コロナなどの感染症もやはり農業のあり方、特に畜産業のあり方が大きく関係するということも明らかになりつつある。食を変えることの意味がより明らかになっている。 “遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年” の続きを読む
遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた
「9割近い遺伝子組み換え作物の終わりの始まり」ついに終わりが見えた!
モンサント(現バイエル)を相手に闘ってきた弁護士アンドルー・キンブレル氏(Andrew Kimbrell)がインタビューで語る。キンブレル氏はモンサントと闘う運動の中心を担ってきた人と言っていいだろう。Center for Food Safety(CFS)というNGOを作り、数々の訴訟でモンサントを追い詰めてきた。その彼が現在のラウンドアップ訴訟をどう見ているか、この重要なインタビューで語られる(1)。 “遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた” の続きを読む
遺伝子組み換え、農薬に関する日本の情報統制が解ける?
なぜ日本は世界と真逆の動きになるのか? 世界で規制が進むラウンドアップ/グリホサート。日本は逆に最大400倍の規制緩和、販売量も増え続ける。その原因は日本国内での情報統制にあった。そしてそれが今、解け始めた? 日本も変わる!! “遺伝子組み換え、農薬に関する日本の情報統制が解ける?” の続きを読む
モンサントの農薬ラウンドアップのもう1つの虚偽広告
モンサント(現バイエル)の農薬ラウンドアップに対する訴訟の中で注目すべき動きが3月末に生まれていた。それはモンサントのラウンドアップに関する虚偽広告に対する集団訴訟で、モンサント(バイエル)は原告と3900万ドルの賠償金とラベルを変えることを条件に和解に応じるというものだ(1)。 “モンサントの農薬ラウンドアップのもう1つの虚偽広告” の続きを読む
モンサント(バイエル)の番犬としてのトランプ政権
なんかトランプ政権がモンサント(現バイエル)を支持しているなんてウソだ、的な人がまだいることに脱力する。「トランプは悪のように報道されているけど、それはフェークニュースで、本当は世界を救う人なんだ」ってか。どれだけニュースを見ていないのか、といっても日本じゃ報道されていないか。仕方ない。こんなことに時間使いたくないけど、大急ぎで書く。 “モンサント(バイエル)の番犬としてのトランプ政権” の続きを読む