「種苗法改正問題、人によって言うことが違う」「極端な意見の違いがあって、どう考えていいかわからない」など当惑されている人が少なくないようです。この問題をとてもわかりにくくしているのは作物によって事情が全然違うこと、それから種苗を育てる側の人もあまりに違いがあるからで、それをひもとけば解決策も見えてくると思います。 “種苗法改正案でなぜ意見が割れる?” の続きを読む
海外の農民の権利と種苗法改定
種苗法改定にどんな問題があるか、前の投稿で番外編としたことに少し説明加えます(動画あり)。
番外編:国内の農家に種苗法改定により自家増殖を抑制させるだけでなく、その影響は海外の農家にも及ぶ。
農水省は植物品種等海外流出防止総合対策事業に5億6700万円、農業知的財産保護・活用支援事業に3億9300万円の予算概算要求して自家増殖させない体制を構築しようとしている。
これは種苗法改定案に書かれていることではないのですが、種苗法で掲げられた「日本の種苗を海外に流出させない」ための具体的方策として具体化されたものです。 “海外の農民の権利と種苗法改定” の続きを読む
種苗法改定法案、ココが問題
なかなか拡がらなかった種苗法改定批判、このところになって、有名人の方たちに取り上げられるなど急に拡がり始めました。一方、複雑すぎて、どこが悪いのか、よくわからない、という話もよく聞きます。じゃあ、手っ取り早くどこが問題なのよ、ということを、まとめます。 “種苗法改定法案、ココが問題” の続きを読む
種苗法改定は「本の読み切り法案」?
種苗法問題で地方紙に投書を書いています。この問題について書くと、企業がお金作って開発した品種の自家増殖禁止に反対するなんて、著作物の複製を認めさせるような主張で馬鹿じゃない、みたいな反応が出てきます。
この考え方は幾重にも問題があって、それをこれまで説明してきたけど、どうしても長くなってしまう。譬え話で説明できないか考えました。ちょっと一面的で一般化できないのだけど、ちょっと失礼。 “種苗法改定は「本の読み切り法案」?” の続きを読む
国際タネの日 #InternationalSeedDay
4月26日は国際タネの日! #InternationalSeedDay
種苗法改定が持つ問題、4月19日に神戸新聞社、中日新聞社が昨日(東京新聞は本日)に種苗法改定に疑問を投げかける社説を掲載、長周新聞も大きく取り上げました。しかし、新型コロナウイルス感染で十分な議論も不可能なまま、政府は種苗法を強引に変えようとしています。
こうした動きは日本だけでなく、世界ともつながっています。気候変動激しくなる中、遠くで育成された気候や土に合わない種苗よりも地域の土で育てられた種苗の重要さが強調される一方、多国籍企業は種苗への知的所有権をますます要求し、大きな攻防になっています。 “国際タネの日 #InternationalSeedDay” の続きを読む
種苗法改定に対する対抗策は?
連休明けにも政府は種苗法を改定しようとしている。この問題に関して『現代農業』2020年4月号の特集がすばらしいのでぜひ読んでいただきたい。
今回の種苗法改定にはさまざまな意味で日本の社会の根幹を崩す可能性があることを指摘してきた。
そんな法案を農家不在、地方公聴会も開催不能な状況で即決していいはずはない。しかし、政府はもうやる気であるという。数で押し切られれば、通ってしまう。
もう手がないのだろうか? いや、まだぎりぎり抵抗線を引くことは可能だろう。 “種苗法改定に対する対抗策は?” の続きを読む
種苗法:そろそろ種子主権の確立を考える時
種苗法改定法案が連休明けに審議入りされかねない。公聴会や審議において農家が発言する機会もなく、審議することは農家の権利を踏みにじり、国際条約違反となるので、反対せざるをえない。
この改定法案の問題点をこれまでまとめてきたが、改めて、政府の主張を確認したい。なぜ、農家の自家増殖を許諾制(許諾ない自家増殖の禁止)にするのか? 政府は2つの理由を示している。1つは日本の種苗の海外流出を防ぐため、そして、もう1つが農家が自家増殖してしまうと種苗会社が新品種を開発する意欲を奪ってしまうというものだ。 “種苗法:そろそろ種子主権の確立を考える時” の続きを読む
種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する その2
種苗法改定法案を通すために自民党がQ&Aを作成して、国会議員やマスメディアに配布している。しかし、その受け答えには大きな問題があり、種苗法問題の部分については別記事でまとめた。
このQ&Aには種苗法以外にも2018年4月に廃止された主要農作物種子法(種子法)についても触れられているので、それについても以下にコメントする。 “種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する その2” の続きを読む