気候変動と共に深刻な影響を及ぼすのが生物絶滅危機。ハチがいなくなれば実を付けなくなって食料も作れなくなる。そんな生物多様性の危機に対処することが期待されるのが国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)。コロンビアのカリで10月21日から始まり、11月1日まで続く予定。
どのように生物多様性を守るのか、というテーマに集中できればいいのだが、それをもっと困難にする危機が生まれつつある。それを作り出すのがバイオテクノロジー企業とAI技術の融合。合成生物学、「ゲノム編集」などをAI技術が統合していく。つまり、「こんなタンパクを作って」、とAIに頼めばと、AIがタンパク質を設計し、バイオ工場で作ることができてしまう、すでに技術的にはそこまで実現できる時代になってしまった。 “合成生物学+AI技術=ブラックボックス・バイオテック” の続きを読む
コオロギ食・工業的昆虫食推進にノー
コオロギ食をめぐってSNSが騒がしい。イナゴなどの伝統的昆虫食と違う問題がそこにある。岸田首相が予算委員会で推進宣言したフードテックだが、その推進ビジョンのロードマップによるとすでに昨年にコオロギの生産ガイドラインは完成していて、今後、他の昆虫のガイドラインが作られていくことになっている。
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フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声
年末年始にかけて行われたフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメントの結果が公表された。フードテックというのは曖昧な言葉だが、その中身は細胞培養肉などの細胞性食品、「ゲノム編集」技術、昆虫食、代替肉、さらには食品管理技術などが含まれる。
しかし、そもそも「ゲノム編集」技術を使った食品は国会での議論もなく、省庁内の検討会だけでゴーサインになってしまった。そして、細胞性食品も、そこにどんな技術が使われ、どんな問題が起きるか、十分な検討はなされていない。
にも関わらず、農水省が推進を決めたことには強い違和感を感じる。そして、実際、寄せられたコメントのほとんどは推進反対で埋め尽くされた。
ところが農水省はこのパブコメをこの言葉で締めくくる。
「御意見をお寄せいただきました皆様方に深く御礼申し上げるとともに、今後ともフードテックの推進に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
推進するな、という圧倒的な声に対して、まったく馬耳東風そのもの。ほとんどパブリックコメントをやる意義を理解していないとしかいいようがない。 “フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声” の続きを読む
フードテック推進ビジョンの行き着き先:工業型食のディストピアにノーを!
フードテック推進ビジョンのパブコメ、締め切り時間(本日23時59分)が近づく。
食のことなんか関心ないよ、という人に一言。これは何より民主主義の問題だということ。本来、国が果たす役割を放棄し、そのツケはすべて市民に来ることになる。 “フードテック推進ビジョンの行き着き先:工業型食のディストピアにノーを!” の続きを読む
フードテック推進ビジョンを批判する:越権行為
1月9日締め切りのフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメント、重要なので別の角度から見てみたい。
戦後日本の原則でもあった戦争をしないという国是、そして原発は新設しないという政策が国会での議論もなく、勝手に閣議決定されたのと同様に、いやそれ以上にまったく国会では何の検討もないまま、推進されようとしているのがフードテック。
何が問題か、考えてほしい。
「細胞培養肉はすごい、動物から幹細胞をちょっと持ってくるだけで殺さずに肉が増やせる。しかも気候変動ガスになる牛のゲップも出ないから気候危機対策にもなる」などといいことばかり宣伝文句を並べるけれども、細胞培養が人間社会を根底から覆すくらい、大きな影響を与えかねないことについては語ろうとしない。 “フードテック推進ビジョンを批判する:越権行為” の続きを読む
フードテック推進ビジョンを批判する:「ゲノム編集」・細胞培養食に未来はない
完全に見逃していた。「ゲノム編集」や細胞培養肉などのフードテックを推進する政策に関するパブリックコメント。締切がなんと1月9日(今度の月曜日)。一言で冗談じゃない、という内容なのだけど、期間の限られた時間の中でなんとか一人でも多くの人がコメントを寄せていただきたい。問題点について書き出すと切りが無いのだが、まずは基本的な考え方についてまとめてみたい。 “フードテック推進ビジョンを批判する:「ゲノム編集」・細胞培養食に未来はない” の続きを読む