モンサントの農薬グリホサートの摂取により妊娠期間が短くなる、という米国での研究について、ついにロイターまでがこの件を報じた。
実はこれは新しい発見というわけではなく、私自身、もう何年も前から各地で遺伝子組み換え問題の講演をする度に話してきたことでもある。新たな米国の研究でそれが確かめられたということは重要。こうした情報を世界トップの通信社の1つであるロイターが取り上げるというのはやはり大きなインパクトがある。ロイターはモンサントが嫌うような記事をたびたび書いてきていることでも知られている。しかし、その記事が読めなくなった。おとといからNot foundのまま。でもGoogleのキャッシュの中には残っている。なぜ消されたのか?
その記事をGoogleのキャッシュで読んでみる。
研究者は発表以降、大変な反応で驚いている。「不要なパニックを引き起こしたくないが、妊娠や人びとの健康にどう影響を与えているのかをなんとか知りたい」と電話インタビューに応えている。「トウモロコシや大豆が育てられている地域では特に注意して」という。
この研究によると、検査した女性たちが飲んだ水からはグリホサートは検出されていない。そして田園地帯の女性はよりグリホサートの摂取量がより多い。となると、グリホサートが散布されている地域に住む人びとは空気からグリホサートを摂取してしまっている可能性がある。遺伝子組み換え大豆やトウモロコシが植えられている地域ではグリホサートは空中散布や地上で動く大きな農薬散布機を使って散布され、空中、地下水、降雨から検出される。気化したグリホサートを吸い込んでしまっている可能性がある。
そして都会の女性からもグリホサートは検出されており、その経路は食となるが、遺伝子組み換え作物が作られていない日本でも同様に問題になる。
EU主要国などはこのグリホサートの禁止に向けて動いている。しかし、日本は昨年12月に大幅緩和。この大幅緩和によって、今後、日本列島の住民は近年グリホサートが収穫前散布されるようになった小麦からもっともグリホサートを摂取してしまうことが推定されている。この緩和を撤回させ、日本でもグリホサートの禁止を求めていくことが必要だろう。
妊娠中、妊娠前の人は可能な限り、危険を避けるために、小麦製品を減らし、食べる時には可能な限り、有機小麦などを選択することが必要になってくるのではないか? 国内ではグリホサートの小麦への収穫前散布はまだ認められていないので、国産小麦は米国などからの輸入小麦よりもグリホサートに関しては安全である可能性は高い(収穫前散布以外で使われることはありうるが残留する危険度は格段低いだろう)。
ちなみに大豆に関してはすでに収穫前散布が認められており、日産化学はその宣伝を打っているので国産大豆でもグリホサートが大量に含まれてしまう可能性がある。収穫前散布している地域に住んでいる場合は要注意。農薬の最大の犠牲者は農家であり、農地周辺住民である。
収穫前散布していない大豆かどうか食品表示ではわからない。有機であれば収穫前散布はないので、こちらの場合も有機を選択することは有効な手段となる。