今、なぜ経済産業省が遺伝子組み換えに本腰を入れるのか?
経産省、遺伝子組換え生物に関わるパブリックコメント開始(28日本日開始、締め切り4月30日)
経産省、遺伝子組み換え微生物について経済産業省が包括確認制度を1月11日にから開始
この背景構想を辿っていくと、かなり危険な方向が見えてくる。経産省が打ち出すスマートセルインダストリーの構想。これはゲノム編集などの遺伝子組み換え技術を用いて、生物細胞でしか作ることができない制御された生命体を作り、ポスト化石燃料の化学産業を中心とする産業群を作り出すというものだろう。農業・食品加工業はもちろん製薬・医療産業、エネルギー産業、現在の石油化学産業などが代替される。
そして日本はこのスマートセルインダストリー(合成細胞産業)の知財特許で世界的な支配力のあるポジションを狙うという構想だといえるだろう。その鍵となるのはゲノム編集などの遺伝子操作技術。つまり遺伝子組み換え大国として君臨するというプランだ。TPPやRCEPでモンサントの旗振りに見える役割を果たしてきたのもこうした構想が背景にあると見た方がいいだろう。
この技術が持つとされている欠陥、健康被害、環境破壊をもたらす懸念にはまったく目もくれず、その実現に向けて性急に動き出しているように見えてならない。関係者は「この道しかない」と思っているのかもしれないが、そんなことはない。もっと別の道があることをしっかりと示していきたい。
経産省バイオ小委員会中間報告書 バイオテクノロジーが生み出す新たな潮流〔スマートセルインダストリー時代の幕開け〕