在来種の野草を育てることの意味

 ミツバチも、鳥も激減している。国連関連組織もあと30年で100万種の生物が絶滅すると警告している。30年後に突然それはやってくるのではなく、毎日数多くの生物がすでに姿を消しつつある。このままでは人類にとっても生存はさらに危機的になる。
 でもこのシナリオは変えることができる。その最も有効な手段の1つが家庭菜園。庭やベランダでその地域在来の野生の草花を育てることがとてもいいという。草ならなんでもいいじゃない、チューリップの方がきれいだし、というわけにはならない。というのも多くの昆虫は特定の植物でしか生きていけない。たとえば北米を象徴するオオカバマダラという蝶は現在、絶滅の危機に瀕している。その原因は米国で大量に撒かれるモンサント(現バイエル)のラウンドアップがオオカバマダラの幼虫が食べるミルクウィード(トウワタ)を枯らせてしまうので餓死してしまうからだ。
 だけど、逆にこのトウワタをオオカバマダラが産卵する地域の家庭菜園で栽培してあげれば絶滅を防ぐことができる。だから、家庭菜園はその地域の生物多様性を守るオアシスになりえる。農薬使わない野生の草花を育てる人は彼らの守り手、ヒーローになれるということ。 “在来種の野草を育てることの意味” の続きを読む