食料危機から食のシステムの転換へ

 食料危機が待ったなしで迫っている。化学肥料の高騰が止まらない(1)。問題は価格の高騰に留まらない。お金を出しても必要な量を確保することが見込めない状態になりつつある。現在の世界の食のシステムは来年にかけて大きな危機に陥るのは避けられないだろう。
 特に日本でまず心配なのは今後、農業を続けてくれる方たちが大幅に減ってしまうのではないかということだ。ただでさえ、労は多く収入は少ない状態なのに、これに生産コストが急激に上がってしまったら、継続は不可能になってしまう。 “食料危機から食のシステムの転換へ” の続きを読む

食料自給率100%は可能:奴隷国家を抜け出すために

 あぁ、もうこの思考停止なんとかしてほしい。
“日本の食料自給率向上を「米国が絶対許さない」訳
米国にとって日本は「食料植民地」となっている”。
東洋経済:日本の食料自給率向上を「米国が絶対許さない」訳

食料植民地というのは史実としてその通りだろう。肝心なのはそれをどうするかだ。でもそれには何も触れられていない。 “食料自給率100%は可能:奴隷国家を抜け出すために” の続きを読む

ローカルフード法・条例に向けた動き、5月9日開始!

 この間、世界で大きな食や農のあり方に変化が生まれてきていることをみてきました。戦後、世界に拡大した化学肥料や農薬と種子の3点セットを大きな企業が独占する工業型農業が大きな問題を引き起こし、土壌を破壊し、気候変動を引き起こし、生物多様性や人びとの健康も破壊してきたことに人びとが気がつき始めたことが大きいと思います。そして、生態系を守る農業、有機農業・アグロエコロジーに転換させることで、これらの危機から回復が可能になりますが、めざましい違いが感じられることが、その転換の拡大の後押しとなっています。世界各地から希望に満ちた動きが広がっています。
 
 問題は連鎖します。化学肥料を使うことで土壌の中の微生物との共生がダメージを受け、農薬が不可欠になります。そうした中で作られた種子はやはり化学肥料や農薬の使用なしにはなかなかうまく育ちません。この連鎖を断ち切るために世界が求めだしたのが何かというと、そうしたものを可能な限り、使わずに作られた地域に合った多様なタネです。
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みどりの食料システム戦略衆院農水委員会での審議

「みどりの食料システム戦略」のための法案「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案」衆院農水委員会通過。衆院本会議の後、参議院での議論へ。満足得られる議論がされたか、検証してみたい。 “みどりの食料システム戦略衆院農水委員会での審議” の続きを読む

遺伝子組み換え作物やその農薬からの自由

 モンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップ(グリホサート)の使用禁止や遺伝子組み換え作物の輸入を止めること、これは日本でも多くの人が望んでいることだろう。それをメキシコのロペス・オブラドール大統領が昨年末、宣言した。 “遺伝子組み換え作物やその農薬からの自由” の続きを読む

みどりの食料システム戦略:みどりの政策とは何?

 パブコメ締め切り迫る「みどりの食料システム戦略」について、「みどり」とは何で、「食料システム」とは何を意味するのかが大問題になる。なぜ、昨年の11月18日に最初の検討会開いて、ほんのわずかな時間の間で、しかも従来の政策を覆すような計画が作られてしまったのだが、農薬村からは抵抗は聞かれない。 “みどりの食料システム戦略:みどりの政策とは何?” の続きを読む

南の国での種苗委託栽培労働の実態:インド、ネパール

 日本の野菜の種子は9割は海外産という。日本の種子企業が海外で生産しているということなのだが、その生産の実態はどうなっているだろうか? 今、種苗の開発は本国で行うけれども、それを増殖させるのは南の国々で行うというのは他の国でも行われているようだ。特にオランダにはそうした企業が集まる。北で開発された種苗を南で増殖する、その南の国々、インド、ネパールでの種苗増産に取り組む労働者の状況に関するWebinarが開催された。その実態は大いに憂慮すべきものであることがわかった。 “南の国での種苗委託栽培労働の実態:インド、ネパール” の続きを読む