重イオンビーム育種米で何が変わる?

 重イオンビーム放射線育種品種に変わると何が変わるのか。図にしてみた。オリジナルの「コシヒカリ」は特許許諾料はもちろん、品種許諾料も不要で自家採種ができるので有機農業にも適している。だけど、重イオンビーム育種の「コシヒカリ環1号」許諾を得た上で、特許料と品種許諾料を払わないと育てることができない。農水省は自家採種も不可だとしている。
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終わりを迎えたガンマ線放射線育種品種をどうすべきか?

 放射線育種米「コシヒカリ環1号」「あきたこまちR」の問題、推進側は使われているのは歴史も長く世界で広く使われている技術なのだから安全で問題ない、と言っています。だけど、おかしいのは、実は使われているのがその実績のある技術とは違う技術であることです。そして長く使われているとしている技術は実は世界では終わった技術で、日本でも昨年、ひっそりと終わりになっているのです。だから、この言い方はまったくおかしいと言わざるをえません。
 
 つまり「コシヒカリ環1号」には従来のガンマ線を照射する放射線育種ではなく、イオンビーム照射によって放射線育種されたもので、この技術は世界広く行われているものでもなく、そしてこれによって育成された品種もわずかしかないのです。
 
 だからまず、このガンマ線育種とイオンビーム育種を分けて考える必要があることを提案しました。
 
 しかし、同時にこれまでのガンマ線による放射線育種をどう捉えるのかも問われるべきでしょう。ガンマ線による放射線育種をどう捉えるべきか、どう対処すべきか、考えたいと思います。 “終わりを迎えたガンマ線放射線育種品種をどうすべきか?” の続きを読む

イオンビーム放射線育種正当化のおかしな論理

 農水省や「あきたこまちR」などの「コシヒカリ環1号」系品種を擁護する人たちがいつも繰り返すのは「放射線育種は長い歴史があり、その品種も日本や世界で広く普及している」ということだ。
 
 しかし、これはとんでもない飛躍がある言い分だ。というのも長い歴史がある放射線育種はガンマ線照射であって、この技術はもうすでに終わった技術なのだ。米国は基本的に軍事研究のみで実質的に終わりにして撤退してしまったし、効率が悪く、その施設は世界でもほぼ閉鎖されている。日本はそれでも続けてきたが、昨年閉鎖になった。
 
 これに対して、「コシヒカリ環1号」系品種はイオンビーム育種であり、この技術を使っているのは日本の他にどこにあるのか、と農水省に聞くと、答えが返ってこない。世界が捨ててしまった放射線育種にこだわっている国は日本くらいしかないのだろう。イオンビームを育種(品種改良)に使っているケースはほとんど聞いたことがない。 “イオンビーム放射線育種正当化のおかしな論理” の続きを読む

放射線育種から「ゲノム編集」へ? 「コシヒカリ環1号」はトロイの木馬か

 「あきたこまちR」や「コシヒカリ環1号」系の放射線育種によって遺伝子を破壊した稲は通過点に過ぎず、今後向かうのはやはり「ゲノム編集」稲。
 汚染のない世界に向かうのか、それとも遺伝子破壊で対応できると考え、世界を汚染し続けるのか、今、問われている。 “放射線育種から「ゲノム編集」へ? 「コシヒカリ環1号」はトロイの木馬か” の続きを読む

カドミウム汚染の政府の責任を問うー「あきたこまちR」について

 秋田県が作るお米をすべて放射線育種(重イオンビーム育種米)に変えようとしています。その手始めが「あきたこまち」を「あきたこまちR」に変えることなのですが、それに関してパブコメが8月21日まであります。
 ここではこれまでにあまり書いていないことに触れたいと思います。
 なぜ、こんなことが必要になったかといえば、カドミウム汚染です。主要なカドミウム汚染は鉱山から来ています。しかし、日本では多くの鉱山はかなり前に閉鎖されてしまっています(1)。それなのに、なぜ、今、カドミウム汚染対策なのでしょうか? それは汚染が放置されていたからに他なりません。 “カドミウム汚染の政府の責任を問うー「あきたこまちR」について” の続きを読む

放射線育種米「あきたこまちR」への全量転換に関する秋田県議会への意見

 秋田県議会が8月21日まで11のテーマに関するパブリックコメントを求めています。そのテーマの1つが「あきたこまちR」への全量転換についてです。この問題についてはすでにいろいろ書いてきたように大きな問題があり、以下のコメントを送ることにしました。秋田県議会のパブリックコメントに関する情報は以下から得ることができます(手紙、ファックス、メール、Webフォームのどれでも送ることができます)。https://pref.akita.gsl-service.net/doc/2018050800035/

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稲の自家採種ができなくなる!? 種苗法改正はだまし討ちだった?

 今後、10年以内にほとんどの稲が自家採種できなくなる!?
 なぜ、そうなるかというと、農水省は全国の品種の「コシヒカリ環1号」との交配を進めており、漸次、既存品種と全量転換となり、転換された品種はみな自家採種が許されなくなるからだ。「コシヒカリ環1号」は放射線によってカドミウムを吸収する遺伝子の1塩基を破壊した稲で、その破壊された遺伝子OsNramp5は遺伝子特許が取られている。
 すでに2018年の段階でそうした品種は100品種以上にのぼっていると農水省は述べている(1)。そこで、そのリストと現段階でわかっているリストを5月6日に情報公開請求した。そして7月10日過ぎになって届いたリストは黒塗りばかりのいわゆる「のり弁」になっていた(2)。

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あきたこまちRにもの申す!

秋田県、いや日本を代表するお米、「あきたこまち」を放射線育種後代交配種「あきたこまちR」に秋田県が2025年から全量転換方針決定、という事態を受けて、秋田県に7月28日から8月2日まで行ってきました。
 3つの学習会を大仙市、湯沢市、潟上市で行いました。

 どんな問題か、要点を書きます。 “あきたこまちRにもの申す!” の続きを読む