本当に日本が底抜けしそうで怖い。とんでもないデタラメがまかり通っているからだ。
たとえば、「あきたこまちRは放射線育種ではありません」と説明して、それには問題がないと言いたい人たちがいるみたい。
要するに重イオンビーム放射線をあてたのは「コシヒカリ環1号」だけであって、「あきたこまちR」はこの「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」を交配させたから「あきたこまちR」には直接重イオンビーム放射線はあててない、だから「あきたこまちRは放射線育種ではない」と言いたいのだろう。でもこれは明らかに誤り。なぜならば「あきたこまちR」は重イオンビーム放射線育種によって一部の塩基が欠損した「コシヒカリ環1号」の遺伝子を引き継ぐので、同じ形質を持つ、その点では同等品だ。だから、「コシヒカリ環1号」が重イオンビーム放射線育種品種として持つ問題はもれなく「あきたこまちR」にもついてくる。
そればかりか、もし、これが「コシヒカリ環1号は放射線育種だけど、あきたこまちRは放射線育種じゃない」などと考えてしまうととんでもない論理矛盾に陥ってしまうことになる。
遺伝子組み換え品種を考えてみればいい。遺伝子組み換えによって組み入れられた遺伝子が発現している後代交配種(遺伝子組み換え品種と通常の品種をかけ合わせる)があるとしたら、組み換えされた遺伝子が発現しているので、その食品を検査すると遺伝子組み換えとして検出されるはずだ。だから、それは法的にも遺伝子組み換え品種として規制の対象にしなければならないし、それをNon-GMOとして売れば、法違反になるだろう。
遺伝子組み換え品種だったら、その子の品種も遺伝子組み換えとして管理しなければならないのに、放射線育種だったら、子の品種は放射線育種ではなくなる、というのはデタラメではないか。要するに放射線育種を規制する政策が今はないから、適当にごまかしても構わないと言っているようなものだ。
さらに深刻な問題になるのが「ゲノム編集」の場合だ。そもそも世に出ている「ゲノム編集」品種は「ゲノム編集」した品種と通常の品種を交配させた品種だ(「ゲノム編集」作物の場合だと、「ゲノム編集」のために挿入したCRISPR-Cas9などのRNAや抗生物質耐性遺伝子などを通常品種と交配させることで取り除く。だから市場に出る「ゲノム編集」品種は通常品種と交配されたもの)なので、「あきたこまちRは放射線ではない」という理屈でいくと、「ゲノム編集」品種はみな「ゲノム編集」していないということになってしまう。そんなウソ、許容できます? そんなウソが構わないとしたら、どんな社会になってしますだろう?
もし、あなたの生協が「あきたこまちRは放射線育種じゃない」などというならば、「ゲノム編集」や遺伝子組み換え品種をその生協がどう扱うのか、聞いてみるといい。もし、その担当者が本当に誠実に答えようとすればすぐに論理矛盾に陥って大変になるはずだ。
通常の品種と交配しても遺伝子組み換えは遺伝子組み換え、「ゲノム編集」は「ゲノム編集」であるし、当然、放射線育種も放射線育種としなければいけない。そうしなければダブルスタンダードであるし、こんなデタラメは許してはいけない。でないと、日本は本当にデタラメな国になる。「あきたこまちR」は重イオンビーム放射線育種品種として規制すべきである。
◆オンライン署名「わたしは、遺伝子を改変された「あきたこまちR」を食べたくありません!」 https://act.okseed.jp/akitakomachir
プレスリリース https://v3.okseed.jp/news/5365
よくある質問 https://v3.okseed.jp/ionbeam/faq
《9月30日院内集会お申込み》
日時:2024年9月30日 15:00〜17:00(会場受付は14:30〜/オンラインは14:50ごろから)
場所:衆議院第2議員会館 第1会議室/オンライン併用
参加費:無料
主催:2025年「あきたこまちR」問題を考える全国ネットワーク
◆お申し込み
https://act.okseed.jp/akitakomachi0930
《オンライン学習会:「あきたこまちR」は「有機JAS認証」できるのか?》
日時:2024年10月11日(金)20:00〜21:30
講師:久保田裕子さん(OKシードプロジェクト共同代表、日本有機農業研究会副理事長)
Zoomによるオンライン学習会(要申し込み)
参加はOKシードプロジェクトのサポーター無料
◆詳細
https://v3.okseed.jp/news/5271