「あきたこまちR」の問題、「あきたこまちR」など食べないと宣言してほしい、声をいただき、オンライン署名を立ち上げました。
なぜ、この稲が問題なのかというと、山ほど問題があるのだけど、ここでは一つだけ。有害物質であるカドミウムを吸わせないために稲の遺伝子を破壊したけれども、その結果、マンガンが3分の1未満しかないお米になってしまう。マンガンは稲にとっても人間にとっても生きていく上で不可欠な必須ミネラル。
農水省はマンガンは他の食品で摂れるから問題ない、と言っているのだけど、日本消費者連盟の原英二さんはそれに疑問を呈します。原さんが指摘するのは東京衛研の調査(その調査を円グラフにまとめました)。
マンガンの摂取は調査によると穀類から4割近くを占めているのです。肉や魚はほとんど寄与しません。
この円グラフにある調味嗜好飲料類とはお茶のことを意味します。お茶をあまり飲まない子どもならば圧倒的にお米が占める割合が大きくならざるをえないでしょう。
人にとってだけでなく、稲自身にとってもマンガンはとても大事な役割を果たしています。光合成を実現していく上でマンガンは重要な役割を果たしているので、それが不足してしまったら、病気になりやすくなり、農薬の使用が増える可能性があるし、さらに高温と水田の低マンガンという条件では、収穫が激減する可能性も指摘されています。
それでも汚染地域ではやむを得ないというかもしれないけれども、大部分を占める汚染地域ではない地域でもすべて一律マンガン不足のお米に変えてしまうというのが秋田県の方針で、農水省もそれを支持しています。秋田県だけでなく、宮城県や山口県、兵庫県でも同様の動きがあり、農水省は2025年までに14県での導入を目標にしています。秋田県だけの問題ではないのです。
「あきたこまち」は日本を代表するお米で、31府県で生産されており、秋田県から種籾の提供を受けているところでは来年から「あきたこまちR」に変わってしまいます(今、売っている「あきたこまち」は大丈夫です)。「あきたこまちR」が生産されるのは秋田県だけに留まらないかもしれません。
そして、「あきたこまち」は学校給食でも使われる割合が多いのです。秋田県はもちろん、特に東日本では使われる学校が多いでしょう。
とても十分な検討をして決定したとは思えない秋田県、そしてその後を追いかける地方自治体、この動きに待ったをかけるにはどうすればいいか? ということで、OKシードプロジェクトではオンライン署名を開始しました。
「お上の決定に反対してもダメでしょ」とか思うかもしれないけど、何を食べるか決定権を持っているのは市民。こんな場合、市民の力は特に強いのです。多くの反対があれば変えることは可能です。間違った方向はただして、秋田県が「あきたこまちR」ではなく、従来の「あきたこまち」の種籾を提供するように、求めていきたいと思います。
ぜひ、このオンライン署名にご参加ください!
https://act.okseed.jp/akitakomachir
詳しい説明のページ
https://v3.okseed.jp/news/5169
従来の品種「改良」においても、植物本来の生命力が損なわれるというのは、実際に作物を作ってみて感じる。これについての研究や情報発信を抑えた中で進められる、放射線照射や遺伝子改変による育種には、作物のみならず、生命体としてのヒトの未来を損なう危険性が極めて高いと感じている。