遺伝資源の保護とバイオパイラシー

 今、世界で多くの生物が絶滅に瀕している。野生動植物だけではない。かつて栽培していた品種が消えてしまう。特に先進国ではその消失が激しく、かつて地域毎に異なる品種が農家によって維持されていたものが商業的な種子に代わっていく中で失われていっている。
 生物多様性を確保することの重要性は1992年のリオデジャネイロ環境開発会議でもその後の生物多様性会議でも確認され、それは生物多様性条約に結実し、名古屋議定書も作られたことは記憶に新しい。FAOは食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約を2001年に作り、農家が農業生物多様性を守る担い手であることを確認している。 “遺伝資源の保護とバイオパイラシー” の続きを読む

COP21で問われているもの

 マスコミではCOP21での攻防はいまだに先進国対発展途上国の利害対立であるかのように語られる。古い常套句を繰り返している。しかし、その対立だけで見ていれば重要な問題を見落としてしまう。それは何かといえば、この気候変動を起こしている当の主役である多国籍企業の動きだ。 “COP21で問われているもの” の続きを読む

日本の援助の墓場か? ブラジル北東部開発事業計画

 反対者は殺し屋で殺す、そんな時代錯誤の暴力が続くブラジル北東部にオールニッポンが再び登場?
 アマゾンの東縁を流れるアラグアイア川、トーカンチンス川水系をつないで、ブラジル内陸で生産される大豆をアマゾン河口に運搬するという巨大開発事業が進行中という。その開発事業計画に日本政府と民間企業がぞっこんらしい。 “日本の援助の墓場か? ブラジル北東部開発事業計画” の続きを読む