ノーベル平和賞、残念! もちろん、アフリカでの紛争問題は厳しい状態にあり、エチオピア首相の受賞はそれはそれでその地域の人びとや周辺諸国にとっては朗報だろうし、事態がよくなることを望むけれども、僕としてはブラジル中心に先住民族を言葉の垣根も地域の垣根も越えて束ねる偉大なリーダーであるラオニさんがノーベル平和賞の候補になっており、その受賞を願っていた。もう何年も前から彼をノーベル平和賞に、というのがブラジルで生存の危機に追い詰められている先住民族の種族を越えた願いだった。
2012年
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/117083285126607
2013年
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/632872750072892
エチオピア首相の受賞を祝福すると同時に、ラオニさんの受賞を多くの先住民族がなぜラオニさんの受賞を待ち望んでいるか、特に今、世界に注目してほしいかを書いておきたい。
アマゾンで最後に残る森は先住民族が守る森。しかし、今年1月に権力の座についたボルソナロ大統領は開発の対象とすることを選挙で公言した。でも、これは憲法違反の公約。先住民族の土地は非先住民族は許可無く入ることは許されない。それにも関わらず、その開発を公言する大統領の登場で侵入事件が相次ぎ、火を付けたり、先住民族への暴力事件も頻発している。
そんな中、90歳とも言われるラオニさんは国連まで出向いて一人で直接抗議行動を続ける。彼が賞を取ることでこの暴力を世界が注目し、先住民族とその森を守る方向に変わってくれないか、祈るような思いだったが、残念ながら、それは実現できなかった。
ラオニさんは、アマゾンの民は今、恐怖を感じていると言う。そしてすぐにその恐怖をわたしたちも感じることになるだろうと予言しする。アマゾンを鉱脈を切り拓き、森を燃やせば土は死に、われわれも全員死ぬからだ。
「われわれは皆、この一つの惑星に暮らしている。地球を守らなければならない。さもなければ、強い風がやってきて、森を破壊するだろう。
その時あなたたちは、われわれが感じている恐怖を感じるだろう。」
ラオニさんの言葉は深く鋭い。残念ながら日本はアマゾンで鉱脈を切り拓き、セラードの森を燃やして大豆畑に変えてしまった。その大豆を運ぶためにアマゾンの森林が切り裂かれる。世界が森林火災に怒り、ブラジル政府に批判を強め、援助も経済協定もストップさせている中、日本は農水相がブラジルまででかけて大豆の輸出インフラ強化を進めるために協議をブラジル政府と行っている。税金がアマゾン破壊に使われている。
そして、かつて経験したことのないような台風が今、迫ってきている。この台風にわたしたちは何を感じるだろうか? こんな恐怖に苛まれるのではなく、命と環境を守る方向へと世界を変えていかなければわたしたちの未来はなくなってしまう。
ラオニさんのメッセージをぜひ、全文読んでほしい、日本語訳
「われわれアマゾンの民は恐怖を感じている」