アマゾンの破壊と先住民族への暴力が止まらない。法定アマゾン領域(アマゾン森林がカバーする地域で、ブラジル政府が定める領域)の東端、12月13日、マラニョン州で先住民族グアジャジャラの15歳の少年が殺害された(1)。11月1日に森林の違法伐採に対する抗議活動を行っていた同じグアジャジャラの若いリーダーが殺された(2)。11月7日には木材の違法伐採するグループが先住民族を待ち伏せし、銃撃して、2人が死亡、2人が負傷。わずか1月半のうちに4人も殺されたことになる。
この地域はアマゾンからセラード(サバンナ)へと生態が移り変わる地域であり、このマラニョン州には日本の援助によるさまざまな開発の影響がある。そして、現在、マラニョン州はMATOPIBA開発計画で日本政府や民間企業が盛んに投資している地域の1つである。
セラード地域はブラジル中央部に位置する高原地帯で、アマゾンの水源の1つでもあり、セラードは世界一生物多様性の豊かなサバンナと言われる。しかし、日本政府は1970年代後半からここで大規模農業開発事業を進めており、その結果、この水源地域の生態系は世界で最も脅かされているものとなってしまった。今は遺伝子組み換え大豆の大規模栽培地域である。
そして、その開発は今でも続いており、日本政府は前農水省も8月にブラジルを訪問し、農業開発にさらに関わっている。セラードの生態系の破壊は深刻であり、3ヶ月ごとにロンドン市の大きさの森林が失われている状況と言われる(3)。アマゾンの森林は雨期に入り、火災も静まるはずだが、破壊が止まらない状況になっている。
セラードが破壊されれば、アマゾン森林も失われる。その森を守る先住民族への暴力が止まらないのもこの地域に開発のためにお金が世界からブラジルに流れ続けるからだ。JICAも農水省も民間企業もここで一度、すべての開発事業を止めるべきだ。セラードとアマゾンを破壊してしまえば、地球の生態系に与える影響は巨大なものとなる。未来の世代に渡すべき貴重な生態系を破壊してまで安い大豆は必要ない。すでに開かれた土地だけでもあまりある生産量がある。これ以上、破壊にガソリンを注ぎ込むことは止めてほしい。
(1) Indígena assassinado no Maranhão é o 4º Guajajara morto de forma violenta em menos de dois meses
(3) Cerrado loses an area the size of London every three months