ブラジル、平和裡の政権交代を!

 今日はブラジル大統領選挙の日。調査では労働者党のルラがここずっと1位となっており、よほどのことがない限り、ルラが大統領に返り咲くことになる。あらゆる調査で差を離されているボルソナロ大統領は自分が1位でなければ不正があったことになると強弁しているが、まともな人であれば相手にしない。
 本来、ボルソナロ大統領は大統領職に就く資格はない人だった。しかし、「情報クーデタ」とも言われたジウマ前大統領の弾劾に始まる動きは確実に組織された巨大な勢力の存在を感じさせるものだったが、それこそがボルソナロ大統領を生み出した。そして、ボルソナロ政権はブラジルにとって、そして世界にとって、取り返しのつかない被害を生んでしまった。

 ボルソナロ大統領はアマゾン森林の開発、憲法で保障された先住民族の土地を取り上げるという憲法違反の公約を実行に移した。原生林を破壊することは犯罪なのだが、それを取り締まる機関の予算はカットされ、アマゾン森林の破壊は急激に進んだ。もうアマゾン森林のサバンナ化(最悪のケースで砂漠化)は止められない限界点を超してしまったという指摘もある。労働者党政権の下で進んだ地域の小規模農家の支援政策、アグロエコロジー政策予算はカットされた。膨大な数の農薬が承認され、世界でもっとも生物多様性の高い地域に大量に撒かれた。もし、彼が大統領でなかったら…、そう思った人は少なくないはずだ。まさに悪夢の4年だった。

 アマゾン破壊を続けるボルソナロ政権を各国政府が非難を続け、援助を打ち切る国も出る中、日本政府は支え続け、大臣や与党の議員はブラジルを足繁く訪問し続けた。ブラジルは日本のカルト教団の巣窟でもあり、その関係に統一協会を含む日本のカルト勢力が関わっていることは間違いないだろう。

 ブラジルのトランプと言われるボルソナロ政権が結果を受け入れ、平和裡に政権交代に応じるか不安はある。トランプが引き起こした以上のことを起こすことが懸念されている。権力を失うこと以上に、彼は政権内でやってはいけないことを秘密裏にやっていることがあることは確実で、それが政権交代によって明らかにされることに恐怖心を抱いているのだろう。だから何でもやろうとするかもしれない。
 平穏な政権交代が実現することを祈るしかない。そして、ボルソナロ政権を支えた勢力を曝露して、それが世界に与えた被害をしっかり見る必要がある。関与した日本の勢力も。

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